いままで

過去の作品*****

『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』三都市ツアー


京都を拠点に活動を展開するユニット・したためが、劇作家・岸井大輔の戯曲からつくったふたつのひとり芝居をみっつの街(上田、京都、東京)で上演します。宣言文のようだったり、辞書の定義のようだったり。一読しただけでは上演の具体的なイメージを結びづらい戯曲が、俳優と演出の共同作業によって、したため流のポップでキュートなパフォーマンスに。戯曲のおもしろさ、演技の楽しさ、俳優の魅力を味わっていただける二本立て。全回、終演後には演出家とゲストによるトークの時間も設けます。
したための夏の旅、ぜひお付き合いください!

紙の雑誌も消えていき、ゆっくり考えることがほとんど不可能な世相に、どうあれるのか、と上演芸術は尋ねられているのだと思います。
岸井大輔(劇作家)

ただでさえ上演ができないように書かれているふたつの戯曲が、去年おととしと二度もつづけて新しいウイルスの蔓延による上演不能に阻まれ、今年が三度目の正直。この間、ずっとずっと思い出しなおしつづけてきた、いずれも徹底してレガシーについての作品です。
和田ながら(演出家)



戯曲全文

『埋蔵する』

 石に下記文字を記し、土中に埋める。

この石に刻まれた文字は戯曲です。2500年を超えたギリシャのせりふがいまだ上演されるように、何千年かの後、演劇という言葉がなくなるか今とまったく違うように理解され、作品という言葉もなくなるか今とまったく違うように理解されているにもかかわらず、この石を見つけた誰かが、この言葉を写しとり、また写し取った誰かによって、上演されるでしょう。


『ふるまいのアーキビスツ』

1 俳優を、ふるまいのアーキビストと捉えてみる。

2 アーキビストとは、アーカイブをする人のことで、永久に保存する価値のある情報を、選んで、集めて、整理して、保存して、管理して、見ることができるよう整える専門職をさす。よって、人間のふるまいを人間がやって残しても、アーキビストの仕事とは遠いとされるだろう。しかし、日本において、建物や制度や芸術作品よりも、それらを作る技術の方が事実上⻑く保存されてきている。つまり、日本でアーカイブを考えるのならば、物体ではなく、ふるまいの継承において考えられるべき事だ。それは、かつてのふるまいを、リプレゼンテーション=再演/上演可能なふるまいとして継承することを意味する。

3 ふるまいは、個人の行動だけでなく、状況における行動をさす。状況には他人も含まれる。よって、俳優は、ふるまいをアーカイブするために、集団になる必要がある。また、その状況も含めてアーカイブするために俳優以外の人も必要になる。そして、ふるまいをアーカイブするとは、動きをトレースするだけでなく、そのふるまいの意義や状況など、意味するところも含めてアーカイブすることが使命である。

4 俳優は、わざおぎという古語の当て字である。わざは技であり、おぎは招くの意味だ。即ち、神を招く技をもつものを俳優(わざおぎ)と呼んだ。そして、多くこの職業は滑稽芸や曲芸をやったという。天岩戶や神道の葬式から考えるに、日本では神を招くためにこそ滑稽な技を使ったのだろう。私は、この言葉を、消えて行くものとしての先祖やオーラのような、ある状況のふるまいに伴う意義をも含め再現する、すなわちその場に招く技をもった存在と捉える。

5 ここでいう俳優はアクターでもプレイヤーでもない。

 

|岸井大輔
演出|和田ながら
出演|諸江翔大朗(ARCHIVES PAY/『埋蔵する』)、長洲仁美(『ふるまいのアーキビスツ』)
演出助手|坂井初音
照明(上田公演)|伊藤茶色(合同会社 犀の角)


上田/犀の角公演 

日程|2023年7月
7日(金)19:00 終演後トークゲスト:荒井洋文(犀の角)
8日(土)14:00 終演後トークゲスト:岸井大輔(劇作家)
※開場は開演の30分前。
上演は95分程、休憩込み。(7/3更新)
※事前の広報で8日(土)の開演時間を13:00と告知していましたが変更となりました。

料金
一般予約 2,500円
一般当日 3,000円
25歳以下 2,000円(予約、当日共通)

会場犀の角(長野県上田市中央2-11-20)
*北陸新幹線・しなの鉄道・別所線 上田駅 より徒歩10分
*上信越自動車道・上田菅平ICより車で約10分
※お車でお越しの方は、「海野町パーク」など近隣の駐車場をご利用ください。

 

京都/UrBANGUILD公演

日程|2023年7月
28日(金)19:00 終演後トークゲスト:佃七緒(美術作家)【ご予約満席、当日券あり】
29日(土)19:00 終演後トークゲスト:渡辺健一郎(批評家・俳優)
※開場は開演の30分前。
上演は95分程、休憩込み。(7/3更新)

料金
一般予約 3,000円
一般当日 3,500円
25歳以下 2,000円(予約、当日共通)
*いずれの券種も 1ドリンク付き

会場UrBANGUILD(京都市中京区材木町181-2 ニュー京都ビル3F)
*京阪三条駅[6番出口]から徒歩約3分
*阪急河原町駅[1番出口]から徒歩約6分
※駐車場、駐輪場はありません。近隣の駐車場、駐輪場をご利用ください。

 

東京/美学校公演

日程|2023年8月
4日(金)19:00 終演後トークゲスト:三浦雨林(演出家・劇作家)
5日(土)15:00 終演後トークゲスト:檜山真有(キュレーター)
6日(日)15:00 終演後トークゲスト:岡啓輔(建築家)
※開場は開演の30分前。
※上演は95分程度(休憩込み)、トークは60分程を予定

料金
一般予約 3,000円
一般当日 3,500円
25歳以下 2,000円(予約・当日共通)

会場美学校 本校(東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F)
*東京メトロ半蔵門線・都営新宿線/三田線 神保町駅 A3出口より徒歩3分
*JR総武線 水道橋駅 東口より徒歩8分
*JR中央線・総武線 御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩13分

協力|シバイエンジン
助成|京都府文化力チャレンジ補助事業(京都公演)
提携|一般社団法人シアター&アーツうえだ(上田公演)
共催|美学校(東京公演)
主催|したため


プロフィール

岸井大輔 きしいだいすけ
劇作家。1995年より他芸術で遂行された形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「東京の条件」「始末をかく」「好きにやることの喜劇(コメディー)」。多摩美術大学演劇舞踊デザイン学科非常勤講師 美学校講師 PARA主宰


photo:Yuki Moriya

和田ながら わだながら
演出家。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院修士課程修了。美術、写真、音楽、建築など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞を受賞。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。


photo:ISAMU NAKAJIMA

諸江翔大朗 もろえしょうたろう
京都造形芸術大学卒。京都市内において、Uber Eats配達員として料理を運び、翌朝にはそこから出たゴミを回収する仕事を生業としている。近年では、五代目 坂東玉三郎、ダンスカンパニーのakakilike、アーティストの荒木優光、演出家の和田ながら(したため)、萩原雄太(かもめマシーン)、河井朗(ルサンチカ)らの作品に出演している。記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」所属。


長洲仁美 ながすひとみ
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科 映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。


したため
京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいはとらえそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作する。俳優の日常生活からパフォーマンスを立ち上げた『巣』より活動を開始。以降、主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』などがある。


トークゲストプロフィール

[上田公演・7月7日(金)19:00]

荒井洋文 あらいひろふみ
上田市出身。(公財)静岡県舞台芸術センター制作部に所属後、上田市で文化事業団体 シアター&アーツうえだを発足。演劇を軸とした文化芸術活動のプロデュース等を行っている。2016年、空き店舗を活用して演劇等で使用できる劇場とゲストハウスを備えた民営文化施設「犀の角」を創設。様々な表現活動や地域住民・アーティストの交流の場として運営し、近年はアーティスト・イン・レジデンスに重点を置いた事業も展開。一般社団法人シアター&アーツうえだ代表理事。合同会社犀の角代表社員。上田市交流文化芸術センター協議委員。


[京都公演・7月28日(金)19:00]

佃七緒 つくだななお
大阪在住。2015年京都市立芸術大学大学院(陶磁器)修了。他者の日常生活での周囲の環境や状況への「カスタマイズ」を抜き出し、陶や布、写真、映像などを用いて表現している。近年の活動に、2023年La Wayaca Current (アタカマ砂漠・チリ)にて滞在制作、2022年「RAU都市と芸術の応答体2022」の展示に参加(黄金町・神奈川)、京都HAPSでの企画『翻訳するディスタンシング』の資料集を出版、鳥公園・ゴールを決めない創作 『2020』オープンスタジオ参加(ハイセン/滋賀) 、2021年「包む Tsutsumu」送付型プロジェクト(AIT/東京)など。


[京都公演・7月29日(土)19:00]

渡辺健一郎 わたなべけんいちろう
1987年生、横浜市出身。早稲田大学大学院文学研究科表象・メディア論コース修了。「俳優にとって自由とは何か」をテーマに、俳優として思索と実践を重ねている。ロームシアター京都リサーチ・プログラム「子どもと舞台芸術」2019〜2020年度リサーチャー。演劇教育の現場での経験と、フランス現代思想の知見とを往還した文章「演劇教育の時代」で第65回群像新人評論賞受賞。著書に『自由が上演される』(2022年、講談社)。追手門学院大学非常勤講師(2023年度~)。


[東京公演・8月4日(金)19:00]

三浦雨林 みうらうりん
演出家、劇作家。日本大学 大学院 芸術学研究科 舞台芸術専攻 修了。隣屋 主宰、青年団 所属。芥川龍之介やレフ・トルストイなど既存の作品を原案に、文学作品として書かれた言葉と人によって発話された言葉の差異を際立たせる手法で劇作・演出を行う。誰かの隣に寄り添える作品づくりを目指している。2020年以降、映像・美術を中心とするインスタレーションの手法も用いた演劇作品を発表している。


[東京公演・8月5日(土)15:00]

Photo by Yuji Oku

檜山真有 ひやままある
キュレーター。1994年大阪生。2023年よりリクルートクリエイティブセンター所属。主なキュレーションに2023年『谷原菜摘子の北加賀屋奇譚』(CCOクリエイティブセンター、他)、2022年『フォールアウトファミリーズ』、2021年『オカルティック・ヨ・ソイ』(デカメロン)。主なレクチャー、ワークショップに2023年『私は嘘をつくのが好き:キュレーションのハッタリとリアルについて』(PARA)、2022年『シャッフル・ディストリビューショナル・エディトリアル・ライティングW』(愛知県立芸術大学)。今年の目標を「ゲリラ・ネイチャー・アドベンチャー」に上方修正しました。


[東京公演・8月6日(日)15:00]

岡啓輔 おかけいすけ
1965年九州柳川生まれ、一級建築士、高山建築学校管理、蟻鱒鳶ル建設中。1995年から2003年まで「岡画郎」を運営。2005年、蟻鱒鳶ル(アリマストンビル)着工。2018年、筑摩書房から「バベる!自力でビルを建てる男」を出版。


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布施安寿香ひとり芝居『祖母の退化論』東京公演

(京都公演 撮影:守屋友樹)

原作|多和田葉子(『雪の練習生』より)
演出|和田ながら(したため)
出演|布施安寿香(SPAC)

かつてサーカスの花形だったホッキョクグマの「わたし」は、ひょんなことから自伝を書きはじめた――俳優・布施安寿香が、奇妙で軽やかなユーモアにあふれる小説「雪の練習生」(作:多和田葉子)の第一章「祖母の退化論」をひとり芝居として上演します。
ひとり芝居に挑戦したい。多和田葉子の言葉を食べてみたい。という布施の強い衝動からはじまったこのプロジェクトは、2020年の京都、2021年の静岡、三重と旅を重ね、作品を深化させてきました。演出を手掛けるのは、テキストへ逐語的にあたることから俳優の身体にアクセスしていく和田ながら。
たったひとりの声と身体で編まれていく、緻密で豊穣な演劇を、ぜひ。


俳優より 

《電車は変にすいていて、窓ガラスがあまりに厚いので景色がゆがんで見えた。その時、額に何か小さなものが当たった。蠅かと思ったら、一つの文章だった。「これは亡命なのだ。」》

命を亡くすと書いて亡命。亡くすのは国じゃないらしい。命を失わないために逃げるんじゃないのかな。知った顔で亡命なんて言葉を使っていたけれど、ふと立ち止まってみると不思議な言葉だし、そもそも亡命のことなんて何もわかっていない。
額に蠅が当たるくらいの軽さで言葉が降ってくる。その気軽さに身体をゆるしているとものすごい衝撃が走る。演じる楽しみというのは、異物である言葉と出会って肉体が変わっていくことだと思う。変わるというのは大変なことだ。言葉を異物として扱い続けることが難しい。すぐに所有物のように当たり前のものとしてつきあってしまう。だってその方が楽だから。俳優は上手くなればなるほど使いこなせる力を持ってしまうから、なお危険。
でも、多和田さんの言葉もながらさんの演出も楽できないようになっていて、幸せだなと思う。
再演できることが本当に楽しみです。ご来場お待ちしています。

布施安寿香


日程
2023年3月
17日(金)19:00
18日(土)19:00
19日(日)15:00
*上演時間 約110分

会場|PARA神保町東京都千代田区神田神保町2-20-12 第二冨士ビル 2階

料金|一般 6,000円
   学生 2,000円
※PARAフリーパス使用可・レクチャーコース、劇場ゼミコースイベント無料適用

音響|甲田徹
照明|神谷怜奈(神谷オフィス)
舞台監督|吉見亮
演出助手|濱吉清太朗(紙魚)
フライヤーデザイン|村上慧
PARA|岸井大輔、青田亜香里、旦妃奈乃、堀切梨奈子
 
主催|PARA、布施安寿香、和田ながら
協力|シバイエンジン
助成|公益財団法人セゾン文化財団

お問合せPARA


PARA2Fオープン公演『祖母の退化論』関連トークイベント

 2月13日(月)19:30-21:30
「多和田葉子を演出する」川口智子、和田ながら
 3月5日(日)15:00-17:00
「劇場は可能か シーズン1にむけて」佐藤信、横山義志、岸井大輔 
3/18(土)※時間未定
「劇場を開くには?」 成河、田中里奈

チケット
【オープントーク3本+『祖母の退化論』通し券】一般|8,000円 学生|3,000円 
【オープントーク各回単体】一般|3,000円 学生|1,500円


 ●プロフィール

©Takashi KATO

布施安寿香 ふせ・あすか
1980年生まれ。2002年、ク・ナウカシアターカンパニー(宮城總主宰)入団、2006年よりspac(静岡県舞台芸術センター)に所属。主な出演作に『夜叉ヶ池』『冬物語』『アンティゴネ』『ハムレット』(演出:宮城聰)『ガラスの動物園』『盲点たち』(演出:ダニエル・ジャンヌトー)『室内』(演出:クロード・レジ)などがある。近年は言語と身体の興味から演劇の枠を広げようと、ミュージシャンやダンサーとのコラボレーションなどもしている。静岡の作曲家渡会美帆とのユニット「帆香」や名古屋の舞踏家浅井信好主宰の「月灯りの移動劇場」では出演だけでなく演出もしている。

和田ながら わだ・ながら
京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』(2019)がある。美術家や写真家、音楽家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフ。2020年より鳥公園アソシエイトアーティスト。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。2021-22年度セゾン文化財団セゾン・フェローI。


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したため#8『擬娩』(ぎべん)

初演記録写真 撮影:守屋友樹


「擬娩」とは、妻の出産前後にその夫が妊娠にまつわる行為を模倣し、時には出産の痛みさえ感じているかのようにふるまうという習俗。この、あまりに奇妙で、あまりに演劇的な習俗に倣って、妊娠・出産を経験していない俳優たちが、想像力をよすがに、妊娠・出産を愚直にシミュレートする。
2019年の初演、2021年のKYOTO EXPERIMENTにおける再創作を経て、和田ながら/したための代表作が待望の東京再演。
分断に取り囲まれたわたしたちに残された手立ては、想像力の再起動だ。

演出|和田ながら
美術|林葵衣
出演|石原菜々子(kondaba) 岸本昌也 中筋和調(うさぎの喘ギ) 三田村啓示


演出より
もし、演劇とはなにか、と問われたら、わたしは、この『擬娩』という作品をひとつの回答として差し出すだろうと思う。いまのこの身体であることをやめないまま、この身体が経験していないできごとに向かってじたばたする、泥臭く滑稽な、しかしこれこそが、演技という行為の原理であり、そして、この原理を社会に埋め込んでおかねばならないという人間の切実さのかたちとして「擬娩」という習俗があったに違いない、と。
『擬娩』の初演からこっち、わたしは、嘘をつくためではなく、嘘をつかないでいられる方法として、演劇を考えようとしているのかもしれません。産むことへの無知も畏れも憧れも怒りも焦りも、すべてあらわに、妊娠・出産のリハーサルをします。三度目も正直に、「擬娩」を。

したため 和田ながら


「擬娩」とは…
これらの習俗は、子供の父が、子供の出産当時あるいはその以前又は産後のある期間、自分の床につき、節食に服して、しかも、その妻ではなくて、彼が分娩の苦痛を受けているかのごとく、一般に振舞うべき事を必要としている。その完全な形態においては、擬娩を遵奉する夫は、自分の床について、産褥にいるふうをし、時には、うめいたり、顔をしかめたりすることによって、分娩の諸々の苦痛を真似ることさえし、また時には、その妻の衣類を着ることさえある。

『擬娩の習俗』(著:ワーレン・アール・ドーソン/訳:中西定雄/1929年)より


初演の劇評より

本作の最大の特徴かつ秀逸な点は、(舞台やドラマ、映画などで手垢にまみれた)「感動的な出産のストーリー」を徹底的に排除し、その代わりに「妊娠・出産」を「私のこの身体に起こる、不快で理不尽な変容のプロセス」のコラージュ的な積み重ねとして描き切った点にある。
高嶋慈(美術・舞台芸術批評)「artscape」レビュー (大日本印刷発行、2020年1月15日号) より一部抜粋https://artscape.jp/report/review/10159403_1735.html

演劇は、〈経験と未経験のあいだの経験〉とでもいうべきものを促します。したためは、その特殊な経験を顕現させることを通じて、これまで存在したであろう(そしてこれから存在するであろう)無数の出産経験に対して、近づき、遠ざかり、眺め、触れ、撫で、触感や重さを確かめているようでした。まさに演劇=play=遊びです。
渡辺健一郎(俳優、批評家)「どうしようもなさとの戯れ」
演劇評論誌Act 27(国際演劇評論家協会日本センター関西支部、2020年6月30日)より一部抜粋
https://aictact2018.wixsite.com/website/drama-review


日程
|2023年2月9日(木)~12日(日)
9日(木) 19:00*1
10日(金) 14:00*2/19:00
11日(土) 14:00*3/19:00
12日(日) 14:00*4
*ポストパフォーマンストークあり
※受付開始・開場は開演の30分前

上演時間|約90分

ポストパフォーマンストークゲスト
*1:9日(木)19:00 林葵衣[美術家、本作美術担当]
*2:10日(金)14:00 やんツー[美術家、『擬娩』再創作版美術担当]
*3:11日(土)14:00 チーム・チープロ(松本奈々子、西本健吾)[パフォーマンス・ユニット]
*4:12日(日)14:00 稲継美保[俳優]、遠藤麻衣[俳優、アーティスト]

会場
こまばアゴラ劇場(〒153-0041 目黒区駒場1-11-13)

料金
一般         前売 3,000円  当日 3,500円
25歳以下 前売 2,000円  当日 2,500円
*日時指定・全席自由

照明|吉田一弥
音響|甲田徹 林実菜
舞台監督|北方こだち
演出助手|堀井和也
制作|渡邉裕史(ソノノチ)
制作助手|永澤萌絵
フライヤーデザイン|岸本昌也 林葵衣
フライヤー写真|守屋友樹
引用テキスト|志賀理江子「亡霊」「志賀理江子 ブラインドデート 展覧会」(発行:T&M Projects[2018年3月])より

芸術総監督|平田オリザ
技術協力|黒澤多生(アゴラ企画)
制作協力|蜂巣もも(アゴラ企画)

企画制作|したため/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催|(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

助成
文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
公益財団法人セゾン文化財団

京都芸術センター制作支援事業


プロフィール

photo: Yuki Moriya

和田ながら|WADA Nagara
2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。美術家や写真家、音楽家、建築家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞受賞。2018年、「こまばアゴラ演出家コンクール」観客賞受賞。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。セゾン文化財団2021-22年度セゾン・フェロー。


photo: Yuki Moriya

林葵衣 HAYASHI Aoi
1988年京都府生まれ。2013年京都造形芸術大学修士課程修了。音声をはじめとする身体のふるまいに独自の形を与え提示している。主な個展に2022年「息骨に触れる」KUNST ARZT(京都)、2020年「息差しの型取り」+2(大阪)、「遊動躰」Gallery PARC(京都)など。2020年度第4期常設展「画家の痕跡」 高松市美術館(香川)、2018年「VOCA展」上野の森美術館(東京)に参加。2022年第1回白髪一雄現代美術賞、2015年第63回芦屋市展吉原賞を受賞。


石原菜々子 ISHIHARA Nanako
東京都足立区にて育つ。高校卒業後、東京の小劇場にて活動。 2012年に劇団維新派『夕顔のはなしろきゆふぐれ』に出演。同年11月、維新派に入団し大阪に移住。2017年解散まで全ての作品に出演する。 2018年より元維新派の金子仁司と共に kondaba を旗揚げ。都市の中に上演場所を探し、その場所が持つ規則や制約、身体との関係性に着目し演劇作品を創作する。その他に、Monochrome Circus、akakilike、極東退屈道場、ピンク地底人3号などの作品にも出演。「都市」「移動」「あそび」をテーマに自身の創作も行う。手話勉強中。


岸本昌也 KISHIMOTO Masaya
滋賀県出身・在住。京都造形芸術大学情報デザイン学科卒。座・高円寺劇場創造アカデミー修了。俳優として、地点、エイチエムピー・シアターカンパニー、したためなどの作品に出演。自身の出自である神楽の身体性を使い、パフォーマンス作品を発表するとともに、古典芸能・郷土芸能のリサーチを行う。京都瓜生山舞子連中所属。また、グラフィックデザイナーとして演劇のチラシや、劇場の広報物などを作成し、『広がるフライヤー』(ビー・エヌ・エヌ新社)に作品が掲載される。


2021年11月 うさぎの喘ギ『いみいみ』撮影:小嶋謙介

中筋和調 NAKASUJI Natsuki
1996年生まれ。大阪府吹田市出身。うさぎの喘ギに所属し俳優と制作を担当。身長152cm。最終学歴は京都大学大学院修士課程修了。会話劇を中心に外部出演も行う。ちょっと疲れたのでこちらの公演をもって俳優としての活動はしばらく休業予定。最近よく聞く音楽はSnail's houseの曲。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を20冊以上、内田百閒の全作品集を2セット所有している。


撮影:永田晶子

三田村啓示 MITAMURA Keiji
主に関西圏を中心に活動。ジャンル・地域を問わず、俳優として様々な演出家・劇作家との創作に参加。第18回関西現代演劇俳優賞受賞。公益社団法人日本劇団協議会機関紙『join』99号特集記事「私が選ぶベストワン2020」において、毎日新聞大阪本社学芸部・畑律江氏のベスト1助演俳優に選出。また、過去には明倫art(京都芸術センター発行)の演劇レビュー執筆、大阪アーツカウンシル・アーツマネージャー、伊丹AI・HALL次世代応援企画 break a leg 選考委員、近年では大阪の老舗小劇場・ウイングフィールド主催のコンペティション・WINGCUPの審査員を務めるなど、活動は多岐に渡る。


ポストパフォーマンストークゲスト プロフィール

10日(金)14:00
やんツー
1984年、神奈川県生まれ。先端テクノロジーが持ちうる公共性を考察し、それらがどのような政治性を持ち、社会にどう作用するのか、又は人間そのものとどのような関係にあるかを「介入」する行為をもって構築した作品によって、批評する。国内外の美術館やギャラリーで作品を発表する他、和田ながら演出による演劇作品の舞台美術や、contact Gonzoとのパフォーマンス作品など、コラボレーションも多く手掛けている。
http://yang02.com

11日(土)14:00
チーム・チープロ
パフォーマンス・ユニット。2013年結成。身体や身振りの批評性をテーマに活動してきた。作品ごとにチームをつくり、制作を行う。近年は、個人の記憶と集団の記憶を、「身体」を媒介に記録し再構成することに関心を寄せている。主な作品に、『20世紀プロジェクト』(2017-2018)、『皇居ランニングマン』(2019-21)、『京都イマジナリー・ワルツ』(2021)、『女人四股ダンス』(2022)など。
https://www.chiipro.net

12日(日)14:00
稲継美保
1987年生まれ。俳優。東京藝術大学在学中より演劇を始め、舞台•アートプロジェクトを中心にフリーランスで活動中。これまでに、サンプル、チェルフィッチュ、岡崎藝術座、ミクニヤナイハラプロジェクト、バストリオ、オフィスマウンテン、東葛スポーツ、坂田ゆかり、篠田千明などの作品に出演。また、2019年にはポーランドとの国際協同製作で演出家マグダ・シュペフト「オールウェイズカミングホーム」に出演するなど、国内外問わず幅広い役柄をこなし、枠にとらわれない活動を行っている。

遠藤麻衣
1984年生まれ。身体を通じたおしゃべりやDIY、演技といった遊戯的な手法を用いる。民話や伝説といった史料や、ティーン向けの漫画やファンフィクション、婚姻制度や表現規制に関する法律など幅広い対象の調査に基づき、クィア・フェミニスト的な実践を展開している。主な個展に、「燃ゆる想いに身を焼きながら」愛知県立芸術大学サテライトギャラリー SA・KURA(愛知、2021)。主なグループ展に、「フェミニズムズ」金沢21世紀美術館(石川、2021)、「ルール?」21_21 DESIGN SIGHT(東京、2021)など。2018年に丸山美佳と「Multiple Spirits(マルスピ)」を創刊。2022年文化庁新進芸術家海外研修制度でニューヨーク滞在。
https://maiendo.net/


上演データ

したため#7『擬娩』

演出|和田ながら
美術|林葵衣
出演|岸本昌也 増田美佳 松田早穂(dracom) 三田村啓示

京都公演 [ THEATRE E9 KYOTO オープニングプログラム ]
日程
|2019年12月6日(金)~9日(月)
会場|THEATRE E9 KYOTO

沖縄公演 [ アトリエ銘苅ベース提携カンパニー公演 ]
日程
|2019年12月13日(金)~15日(日)
会場|アトリエ銘苅ベース

主催|したため

KYOTO EXPERIMENT 2021 AUTUMN
和田ながら×やんツー『擬娩』

演出|和田ながら
美術|やんツー
出演|石川大海 オサム 岸本昌也 杦本まな保 松田早穂 (dracom)

日程|2021年10月16日(土)・17日(日)
会場|京都芸術センター 講堂

製作|KYOTO EXPERIMENT (再創作版)
主催|KYOTO EXPERIMENT

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 坂本光太×和田ながら「ごろつく息」京都公演



チューバ奏者の坂本光太と演出家の和田ながらの協働によるコンサート「ごろつく息」。
高い評価を得た東京での初演を経て、両者の活動拠点である京都での再演を企画しました。
音楽と演劇という異なる領域を専門とするふたりが、
いずれにも欠かすべからざる「息」を戸口に、
楽器と身体を往還し、演奏と演技を遊びます。
コラボレーターには初演に続き俳優の長洲仁美と、新たにピアニストの杉山萌嘉が参加。
ごろごろと、演じることの軽やかさへ。


出演坂本光太(チューバ奏者)、長洲仁美(俳優)、杉山萌嘉(ピアニスト)
演出|和田ながら
音響|甲田 徹


プログラム

長洲仁美/和田ながら《浮浪》(2021)
チャーリー・ストラウリッジ 《カテゴリー》(2013-14)
ヴィンコ・グロボカール 《エシャンジュ》(1973)
坂本光太/和田ながら 《オーディションピース》 (2021)
池田 萠《身体と管楽器奏者による 序奏、プレリュードと擬似的なフーガ》(2021)
坂本光太/長洲仁美/和田ながら 《一番そばにいる》 (2021)
*プログラムは変更となる可能性があります。
*池田萠作品の楽譜はこちらからご覧いただけます。


初演レビューより

「ごろつく息」は、「演奏」と「演劇」が幾度も高速で入れ替わる体験として感知される。「演じる」ことの生々しさが、戯曲と作曲というあらかじめ決められたプログラムを意識させることなく、目の前で揺れ動く。そのように表すべき時間だ。
伏見瞬「邪魔だけで出来ている」より一部抜粋

ギリシア語のorganonが「器具」という意味から音楽的な「楽器」と生物学的な「器官」というふたつの意味に派生した語源学的な来歴を辿るまでもなく、本公演においてチューバは口になり損なう=口になりつつある未然の器官として坂本と長洲からなる筋肉群に取り囲まれている。
福尾匠「プリペアド・ボディ」より一部抜粋

※両レビュー全文は以下よりお読みいただけます。
https://www.tokyo-concerts.co.jp/concerts/48610/


初演アーカイブ

2021年12月に行われた初演のアーカイブ(楽曲解説、レビュー、記録写真、クリエイションの記録等)はこちらよりご覧いただけます。


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日程|2022年9月
9日(金)19:00
10日(土)14:00
*開場、受付開始は開演の30分前

会場
UrBANGUILD(〒604-8017 京都市中京区材木町181-2 ニュー京都ビル3F)
*京阪三条駅[6番出口]から徒歩約3分、阪急河原町駅[1番出口]から徒歩約6分。http://urbanguild.net/

料金
一般 予約 3,000円(1ドリンク込み)
一般 当日 3,500円(1ドリンク込み)
学生 予約・当日共に 2,000円(1ドリンク込み)

バナーデザイン|関川航平
初演 製作|東京コンサーツ 制作|西村聡美
助成|公益財団法人 セゾン文化財団、京都府文化力チャレンジ補助事業
主催|したため

サントリー芸術財団 佐治敬三賞推薦コンサート


プロフィール

坂本光太|Kota Sakamoto
チューバ奏者。1990年生。現代音楽、実験音楽、即興演奏、ドイツロマン派の音楽を中心に活動。近年の活動に、「チューバで聞く音楽の4世紀」(くにたち市民芸術小ホール、2022)『第一回米田恵子国際作曲コンクール』(トーキョーアーツアンドスペース本郷、2021)「暴力/ノイズ/グロボカール」(BUoY、2020)など。共著に「音楽で生きる方法」(青弓社、2020)。博士(音楽)を取得し現在京都女子大学にて助教。「実験音楽とシアターのためのアンサンブル」「Ensemble Doch」(杉山萌嘉(ピアノ)とのデュオ)各メンバー。
photo: Ten Goto


和田ながら|Nagara Wada
2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。美術家や写真家、音楽家、建築家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞受賞。2018年、「こまばアゴラ演出家コンクール」観客賞受賞。2019年より地図にまつわるリサーチプロジェクト「わたしたちのフリーハンドなアトラス」始動。セゾン文化財団2021-22年度セゾン・フェロー。
photo: Yuki Moriya


長洲仁美|Hitomi Nagasu
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。

杉山萌嘉|Moeka Sugiyama
1991年生まれ。東京音楽大学付属高等学校ピアノ演奏家コースを卒業後、渡独し、ドイツ・フライブルク音楽大学を卒業。ドイツ・カールスルーエ音楽大学にて修士課程を取得。ジーギスムント・タールベルク国際ピアノコンクール2010(イタリア)最年少女性ピアニスト賞、ヘルマン・ビュットナーコンクール2014(ドイツ) 3位入賞。今までに、小形恵子、海老原直美、野島稔、ミヒャエル・ロイシュナー、カレ・ランダルーに師事する。室内楽をエデュワルド・ブルンナー、マルクス・シュタンゲに師事。修了後、ドイツにてフリーランスピアニストとしてビザを取得し、室内楽、ソロで演奏活動を行う傍らカールスルーエ音楽大学管楽器科伴奏助手(チューバクラス・コレペティトーア)として勤務。ソロのみならず室内楽でもバロック~現代まで幅広いレパートリーを持ち、帰国後は京都を拠点に活動している。
photo: Nobutoshi Yoshida


池田 萠|Moe Ikeda
作曲家、パフォーマー。1986年石川県生まれ、大阪府在住。愛知県立芸術大学卒業。IAMAS(情報科学芸術大学院大学)修了。「第33回現音作曲新人賞」入選(日本現代音楽協会、2016)。主な作品に「演奏家の選択」のルールに従ってその場で音楽を生成する「選択音楽」シリーズなど。作曲家兼パフォーマー今村俊博とのデュオ「いまいけぷろじぇくと」メンバー。近年は音符を自分で書かない楽譜や、そもそも音符がない楽譜による音楽を多く作曲している。


■上演 ※開催延期

『埋蔵する』photo: Yuki Moriya

美学校講師の岸井です。 和田ながらさん演出で
僕の戯曲『埋蔵する』『ふるまいのアーキビスツ』を美学校でやります。
どちらも、遠い未来のための作品で、上演不能戯曲です。
展示や上演ばかりが評価され、作品があまり語られない現状の批判として書きました。
和田さんは、あえてこの2つの戯曲をとりあげ、大阪と京都での初演は、
現代において表現するとは何かを浮き彫りにしたと思います。
50年以上続くアートスクールに、この作品がどのように響くのかを見たく、
東京神保町での上演をお願いしました。
毎日2作品とも上演し、80分の上演後、ゲストを交えて1時間程度のトークがあります。
席数少ないのでお早目の予約をお勧めします。

以下戯曲全文です。


『埋蔵する』

石に下記文字を記し、土中に埋める。

この石に刻まれた文字は戯曲です。2500年を超えたギリシャのせりふがいまだ上演されるように、何千年かの後、演劇という言葉がなくなるか今とまったく違うように理解され、作品という言葉もなくなるか今とまったく違うように理解されているにもかかわらず、この石を見つけた誰かが、この言葉を写しとり、また写し取った誰かによって、上演されるでしょう。


『ふるまいのアーキビスツ』

1 俳優を、ふるまいのアーキビストと捉えてみる。

2 アーキビストとは、アーカイブをする人のことで、永久に保存する価値のある情報を、選んで、集めて、整理して、保存して、管理して、見ることができるよう整える専門職をさす。よって、人間のふるまいを人間がやって残しても、アーキビストの仕事とは遠いとされるだろう。しかし、日本において、建物や制度や芸術作品よりも、それらを作る技術の方が事実上⻑く保存されてきている。つまり、日本でアーカイブを考えるのならば、物体ではなく、ふるまいの継承において考えられるべき事だ。それは、かつてのふるまいを、リプレゼンテーション=再演/上演可能なふるまいとして継承することを意味する。

3 ふるまいは、個人の行動だけでなく、状況における行動をさす。状況には他人も含まれる。よって、俳優は、ふるまいをアーカイブするために、集団になる必要がある。また、その状況も含めてアーカイブするために俳優以外の人も必要になる。そして、ふるまいをアーカイブするとは、動きをトレースするだけでなく、そのふるまいの意義や状況など、意味するところも含めてアーカイブすることが使命である。

4 俳優は、わざおぎという古語の当て字である。わざは技であり、おぎは招くの意味だ。即ち、神を招く技をもつものを俳優(わざおぎ)と呼んだ。そして、多くこの職業は滑稽芸や曲芸をやったという。天岩戶や神道の葬式から考えるに、日本では神を招くためにこそ滑稽な技を使ったのだろう。私は、この言葉を、消えて行くものとしての先祖やオーラのような、ある状況のふるまいに伴う意義をも含め再現する、すなわちその場に招く技をもった存在と捉える。

5 ここでいう俳優はアクターでもプレイヤーでもない。


|岸井大輔
演出|和田ながら(したため)

『埋蔵する』
出演
|諸江翔大朗(ARCHIVES PAY)

『ふるまいのアーキビスツ』
出演
|長洲仁美

演出助手|坂井初音

アフタートークゲスト|8/7 岡啓輔、8/8 稲継美保、8/9 三浦雨林

日時|2021年
8月7日(土)19:00開演
8月8日(日)19:00開演
8月9日(月・祝)15:00開演

※公演延期

料金|前売3,000円/当日3,500円

定員|各日30名 ※感染症対策として通常より席数を減らしています。

会場|美学校 本校(東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F

共催|したため、美学校

助成|公益財団法人セゾン文化財団

お問合せ|info.shitatame@gmail.com


プロフィール


岸井大輔 きしい・だいすけ
1970年生。劇作家。他ジャンルで遂行された形式化が演劇でも可能かを問う作品群を発表している。代表作「potalive」「東京の条件」「好きにやることの喜劇(コメディー)」「始末をかく」
2019年に自身のカンパニー「PLAYS and WORKS」旗揚、ポストコンテンポラリーアートについて考えている。
https://www.kishiidaisuke.com/

諸江翔大朗 もろえ・しょうたろう
京都造形芸術大学卒。在学中に現代芸術家の高嶺格に師事し、同氏の舞台作品に多数出演。「表現する」という事を常に疑い続けることによって、表現者としてのスタイルを確立するべく日々を過ごしている。近年では、ダンスカンパニーakakilike、アーティストの荒木優光、演出家の和田ながら(したため)、萩原雄太(かもめマシーン)らの作品に出演している。2020年4月にはUber Eats配達員としてクローズアップ現代+に出演した。記録にまつわる作業集団「ARCHIVES PAY」所属。


長洲仁美 ながす・ひとみ
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科 映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。



■上演

『祖母の退化論』三重公演
https://theatre-de-belleville.tumblr.com/post/651707524275470336/sobonotaikaron

原作|多和田葉子(『雪の練習生』より)
演出|和田ながら(したため)
出演|布施安寿香(SPAC)

かつてサーカスの花形だったホッキョクグマの「わたし」は、ひょんなことから自伝を書きはじめた――俳優・布施安寿香が、奇妙で軽やかなユーモアにあふれる小説「雪の練習生」の第一章「祖母の退化論」をひとり芝居で上演します。
2020年12月に京都木屋町・UrBANGUILDにて初演、2021年3月に静岡の人宿町やどりぎ座にて再演した作品の三重公演。

※演出家のための合宿企画「Belleville Camp21 d'été 」併催。詳細はこちら


初演の劇評より
「進化が良いとか退化が良いとかそういう単純な話ではなく、変化の中で生きていかざるをえない、そういう「わたし」が舞台上に居た。個人的な記憶が「わたし」の物語の上に載っていく感覚は、多和田の小説を読んでいる段階ではなかったものである。」

「生きていかざるをえない「わたし」の物語」(岡田蕗子)より一部抜粋。
国際演劇評論家協会日本センター関西支部「Act29」(2021年3月31日発行)掲載
https://aictact2018.wixsite.com/act29

日程
2021年7月
16日(金)19:30
17日(土)19:30
*上演時間 約115分
*受付開始・開場ともに開演の20分前

会場|Théâtre de Belleville(514-2113 三重県津市美里町三郷2104)
https://theatre-de-belleville.tumblr.com/access

料金|一般 2,000円
   美里割 1,000円
   25歳以下 500円
   18歳以下 無料
*日時指定・全席自由
*美里割=美里在住、在学、在勤者対象(当日証明できるものをご提示ください)
*津あけぼの座劇場支援会員対象公演

音響|甲田徹
照明|神谷怜奈(神谷オフィス
舞台監督|吉見亮
演出助手|濱吉清太朗

 ●プロフィール

©Takashi KATO

布施安寿香 ふせ・あすか
2002年ク・ナウカシアターカンパニー(現在活動休止中)入団、2006年より静岡県舞台芸術センター(SPAC)に所属し、国内外の演出家の作品に主要な役で出演している。主な出演作品は『アンティゴネ』『ハムレット』『夜叉ヶ池』(演出:宮城聰)、『メナム河の日本人』(演出:今井朋彦)、『かもめ』(演出:鳴海康平)、『室内』(演出:クロード・レジ)、『ガラスの動物園』(演出:ダニエル・ジャンヌトー)など多数。

和田ながら わだ・ながら
2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した『文字移植』(2016)、妊娠・出産を未経験者たちが演じる『擬娩』(2019)がある。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞を受賞。2018年より、京都木屋町三条の多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフとして俳優によるパフォーマンスシリーズ「3CASTS」を企画する。2020年より鳥公園アソシエイトアーティスト。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。2021年度セゾン文化財団セゾン・フェローI。

お問合せ|memoirsofapolarbear@gmail.com

主催|合同会社第七劇場
共催|布施安寿香、和田ながら
助成|公益財団法人セゾン文化財団


■上演

鳥公園『私の知らない、あなたの声』


|西尾佳織
演出|和田ながら
出演|松田早穂(dracom)、三田村啓示、藤原美保(ソノノチ)
音響|甲田徹 林実菜

その人は古い友人だと言った、私の奥さんだったあの人の。私はその人を知らなかった、でもその人は私を知っていた。あの人がよく私の話をしたらしい。その人の口から聞くあの人は、私の知らない人間だった。その人は確かめに来た、あの人といた私のことを。その人はたぶん、恋人だったみたいだ、私の奥さんだったあの人の、隠された。記憶の中のあの人の声がもう、前のように聞こえない。

京都公演

★THEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画“Continue”参加

会場THEATRE E9 KYOTO(〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1)

日程|2021年
4月24日(土) 15:00 A★
4月25日(日) 15:00 B★
4月26日(月) 19:00 A
4月27日(火) 19:00 B
★終演後に出演団体によるアフタートークあり
・上演時間 各団体約1時間を予定
・プログラムの間に途中休憩を挟みます

Aプログラム|鳥公園/NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)
Bプログラム|正直者の会/ドキドキぼーいず

舞台監督|北方こだち
照 明|吉本有輝子
音 響|島﨑健史
制 作|福森美紗子
宣伝美術|永戸栄大

企画・製作|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)、NPO法人京都舞台芸術協会
主催|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
共催|NPO法人京都舞台芸術協会
協力|NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)

静岡公演

★ストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡2021」参加
https://www.strangeseed.info/

会場|駿府城公園エリア[芝生]

日程|2021年5月2日(日)~5日(水・祝)
5月2日(日)
①12:30 OPEN / 13:00 START
②17:00 OPEN / 17:30 START

5月3日(月・祝)
①13:30 OPEN / 14:00 START
②16:30 OPEN / 17:00 START

5月4日(火・祝)
①13:30 OPEN / 14:00 START ※時間表記が誤っていましたので訂正いたしました(4/15)
②16:30 OPEN / 17:00 START

5月5日(水・祝)
①13:00 OPEN / 13:30 START ※雨天のため中止
②16:30 OPEN / 17:00 START ※雨天のため中止

料金|観覧無料 ※投げ銭歓迎!

ストリートシアターフェス ストレンジシード静岡
日程|2021年5月2日(日)~5日(月・祝)
会場|駿府城公園内各所、静岡市役所・葵区役所前、静岡市民文化会館前などJR静岡駅から徒歩圏内
主催|静岡市
共催|SPAC-静岡県舞台芸術センター

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鳥公園
2007年に劇作家・演出家の西尾佳織が結成。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。言葉や状況が野蛮にコラージュされた戯曲は、生理的な感覚を物質のようにごろりと示し、この世界に生きることの違和感を露出させる。「存在してしまっていること」にどこまでも付き合う作風が特徴。
2020年より、和田ながら(したため)、蜂巣もも(グループ・野原)、三浦雨林(隣屋)を演出家に迎え、西尾は劇作と主宰業を担う新体制に移行。
https://www.bird-park.com/



藤原美保 ふじわら・みほ
京都府亀岡市出身。高校より芝居をはじめる。専門学校の声優科を卒業後、上京。俳優・声優養成所にて2年間学んだ後、地元に戻り、2014年にソノノチに入団。以降、全作品に出演している。その他、演劇ワークショップ講師や、高校で声優の授業を担当している。
撮影:脇田友



松田早穂 まつだ・さほ
兵庫県出身京都在住。俳優。大阪を拠点とする公演芸術集団dracomのメンバー。2008年よりベビー・ピーに参加、人形劇や野外テント作品等に出演。最近の出演作はdracom『今日の判定』『しじまの夜がこだまする』、ベビー・ピーの旅芝居『ラプラタ川』、若だんさんと御いんきょさん『時の崖』、したため#7『擬娩』。


三田村啓示 みたむら・けいじ
主に京阪神を中心に活動。ジャンル・地域を問わず、俳優として様々な演出家・劇作家との創作に参加。近年では明倫art(京都芸術センター発行)の演劇レビュー執筆(2012-2015年)など、俳優以外の活動も並行して行う。また、大阪の老舗小劇場・ウイングフィールドが主催する若手対象のコンペティション・ウイングカップの審査員として、新しい才能の発掘にも取り組んでいる。2018年より、大阪アーツカウンシル・アーツマネージャー。第18回関西現代演劇俳優賞受賞。
撮影:永田晶子

■上演

『祖母の退化論』静岡公演

原作|多和田葉子(『雪の練習生』より)
演出|和田ながら
出演|布施安寿香(SPAC)

かつてサーカスの花形だったホッキョクグマの「わたし」は、ひょんなことから自伝を書きはじめた――俳優・布施安寿香が、奇妙で軽やかなユーモアにあふれる小説「雪の練習生」の第一章「祖母の退化論」を一人芝居で演じます。昨年12月に好評を博した京都での初演に続き、静岡での公演です。

☆☆☆☆☆★★★★★☆☆☆☆☆★★★★★☆☆☆☆☆★★★★★

言葉の成り立ちや語源を調べるのが昔から好きです。
「転じて〇〇という意味になる」と簡潔に書かれているのを見るたびに、その「転じ」具合に慄き、はるかな時間を変化しつつ生き残ってきた「言葉」という、わたしよりも圧倒的に長生きなものへの畏怖を感じてきました。
「ユーモア」という言葉の語源humorは湿気、体液を意味したラテン語だそうです。
中世の医学では、体液には4種類あって、その体液のバランスによって人の気質が変化すると考えられており、その変化を与えられる側だったユーモア(体液)という言葉がいつしか、変化を与える側、しかも和ませる作用を与える名前になったようです。
する、と、される、が随分いい加減に変転しています。そこがいいなと思いました。
舞台の上演ってそうだよなと思っています。
飛沫によるウィルス感染の恐怖を感じる今上演そのものが危険なものと思われがちです。
でも、その密度の危険さ、影響の強さは、ウィルスに限らずで、昔からあり、まず何よりも「言葉」という危険物取り扱いのプロ(=俳優)として敏感に慎重に上演をし続けていたと思います。
ユーモアには人を傷つけるような笑いは含まれません。
人そのものを包括するような、弱点を欠点にさせない大らかな善意があります。
ユーモアという抗体にどうぞ感染されにきてください。お待ちしております。

布施安寿香

日程
2021年3月
27日(土)13:00 / 18:00
28日(日)15:00
*受付開始・開場は開演の30分前
*上演時間 約100分
*定員:各ステージ25名

会場|人宿町やどりぎ座
〒420-0037 静岡市葵区人宿町2丁目5-2 SOZOSYAキネマ館2F
http://yadorigiza.info/

料金|予約 2,000円

音響
|甲田徹
照明|神谷怜奈(カミヤオフィス
舞台監督|吉見亮
主催|布施安寿香、和田ながら


■上演

『祖母の退化論』

原作|多和田葉子(『雪の練習生』より)
演出|和田ながら
出演|布施安寿香(SPAC)
音響|甲田徹

かつてサーカスの花形だったホッキョクグマの「わたし」は、ひょんなことから自伝を書きはじめた――俳優・布施安寿香が、奇妙で軽やかなユーモアにあふれる小説「雪の練習生」の第一章「祖母の退化論」を一人芝居で演じます。

☆☆☆☆☆★★★★★☆☆☆☆☆★★★★★☆☆☆☆☆★★★★★

今年で40歳になります。かれこれ人生の半分、俳優をやっています。
2020年と区切りもいいし、何かメモリアルとして大変なことに挑戦してみたいなと思い、多和田葉子さんの「言葉」を食べてみようと思いました。1人じゃさすがに咀嚼しきれないなと思って和田ながらさんにご協力をいただきこの企画がスタートしました。
そのうちメモリアルだなんて呑気なことを言ってられない大変な2020年になってしまい、春の公演が中止になり家に篭っている間、ひたすら、「祖母の退化論」を音読していました。
発語が身体に与える影響。
飛沫だけじゃない、ウィルスだけじゃない「言葉」が身体に与える影響。世界が変わって舞台での表現を変えざるをえなくても、その追求だけは変わらないなと思っています。
「言葉」を獲得したことは進化なのか退化なのか。
わからないけど進むしかない。

布施安寿香

日程
2020年12月
17日(木)19:30
18日(金)19:30
*開場は開演の30分前 

会場|UrBANGUILD
〒604-8017 京都市中京区材木町181−2 ニュー京都ビル3F
*京阪三条駅[6番出口]から徒歩約3分、阪急河原町駅[1番出口]から徒歩約6分。
http://urbanguild.net/access/

料金
予約 2,000円
当日 2,500円
※別途1ドリンク代600円を受付にていただきます

 ●プロフィール

©Takashi KATO

布施安寿香 ふせ・あすか
1980年生まれ。2002年、ク・ナウカシアターカンパニー(宮城總主宰)入団、2006年よりspac(静岡県舞台芸術センター)に所属。主な出演作に『夜叉ヶ池』『冬物語』『アンティゴネ』『ハムレット』(演出:宮城聰)『ガラスの動物園』『盲点たち』(演出:ダニエル・ジャンヌトー)『室内』(演出:クロード・レジ)などがある。近年は言語と身体の興味から演劇の枠を広げようと、ミュージシャンやダンサーとのコラボレーションなどもしている。静岡の作曲家渡会美帆とのユニット「帆香」や名古屋の舞踏家浅井信好主宰の「月灯りの移動劇場」では出演だけでなく演出もしている。 

和田ながら わだ・ながら
京都造形芸術大学芸術学部映像・舞台芸術学科卒業、同大学大学院芸術研究科修士課程修了。2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した#4『文字移植』(2016)、妊娠・出産を未経験者たちが演じる#7『擬娩』(2019)がある。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞を受賞。2018年より、京都木屋町三条の多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフとして俳優によるパフォーマンスシリーズ「3CASTS」を企画する。2020年より鳥公園アソシエイトアーティスト。NPO法人京都舞台芸術協会理事長。

京都芸術センター制作支援事業

主催|布施安寿香、和田ながら



■上演

Continue関連企画 case.2|和田ながら(したため)

『本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない』

|岸井大輔
演出|和田ながら

劇作家・岸井大輔が19年前に書いた戯曲『本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない』を、あたうるかぎりの愚直さにもとづいて、上演します。ゲームが中断した時にあらわれる、あの「コンティニュー」ボタンを、ぐっと押し込むためのプラクティス。俳優に孤独にオキュパイされるブラックボックス。どうか、この短い戯曲をよく読んで、劇場までお越しください。劇場にとって、俳優にとって、観客にとって、そしてあなたとわたしにとっての「本当に大事なこと」を想像するための場所を、この世界の一隅に、たとえささやかであっても、ととのえたいと思います。THEATRE E9 KYOTOにて、お待ちしています。
和田ながら


『本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない』(2001年)
|岸井大輔

タイトルが「本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない」であることを明示の上、宣伝をする。

観客が、タイトルを知った上で所定の上演会場に来られるようにする。
上演場所は、劇場などなるべく標準的な上演空間がよい。
上演場所の入り口の前に、中に入れないように障壁を作る。
来た観客一人ひとりに、以下のメッセージを伝え、納得させる。言葉で伝えなくてもよい。
この中で起きていることはあまりにも個人的で大事なので、あなたに見せるわけにはいかない。
例えば、あなたは、恋人との別れや、友人との親密な会話や、子供に大事なメッセージを伝える瞬間を他人に見られてもいいのか。もし、よいとしても、他人に見られている時とそうでない時では違うことになるだろう。
今、この中で起きているのはとても大事なことなのだ。とても大事なので、何が起きているかをあなたに説明するのもはばかられる。普段劇を観に行く時には舞台上でそのようなことが起きるのは当たり前かもしれないが、中にいる人と私にとってはあなたの目の前で行うにはあまりにも個人的で本当に大事なことなのだ。

日時|2020年7月
12日(日) 14:00/19:00
13日(月) 14:00/19:00
14日(火) 14:00/19:00
※受付開始は開演の15分前です。
※上演時間予定 60分
※定員:12日(日)は各回1名、13日(月)は各回2名、14日(火)は各回3名

会場
THEATRE E9 KYOTO
〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1
*JR「京都」八条口から徒歩約14分
*京阪本線・JR「東福寺」から徒歩7分
*京都市営地下鉄「九条」から徒歩11分

出演|※上演回によってそれぞれ異なる
12日(日) 14:00 大熊ねこ(遊劇体)
12日(日) 19:00 佐々木峻一(努力クラブ)
13日(月) 14:00 岸本昌也
13日(月) 19:00 紙本明子(劇団衛星/ユニット美人)
14日(火) 14:00 飯坂美鶴妃
14日(火) 19:00 松田早穂(dracom)

チケット
[日時指定、事前予約]
2,000円
提携イベント「PLAY」のフリーパスをご購入済みの方は無料でご観劇いただけます
※当日会場にて、劇場への寄付を受け付けます

主催・企画制作| 和田ながら、THEATRE E9 KYOTO
提携PLAY 

お問い合わせ
THEATRE E9 KYOTO
TEL:075-661-2515(10:00〜18:00)

プロフィール

岸井大輔
劇作。1995年より他ジャンルで遂行された形式化の演劇における可能性を探求する作品群を制作している。代表作「東京の条件」「始末をかく」「ポストコンテンポラリーアート」。2020年10月までPLAYについて考え直すプロジェクト実施中。




大熊ねこ(遊劇体)
俳優。大学在学中の1998年、京都を拠点に活動する劇団「遊劇体」に入団。劇団活動として2002年までは野外劇を中心に、以降は小劇場空間での新作発表と並行して泉鏡花のオリジナル戯曲全作品上演企画に挑み、2020年現在まで全ての本公演に出演している。また、劇団外への客演も多く、近年は朗読や即興演劇のライブ出演などにも活動の幅を広げる。
2007年、第9回関西現代演劇俳優賞女優賞受賞。
撮影:松本成弘




佐々木峻一(努力クラブ)
1988年、島根県生まれ。
2007年、大学で京都に引っ越し、劇団西一風に入り演劇活動を始める。
2011年、合田団地とともに努力クラブを結成、以降ほぼすべての作品に出演。
おもな出演作品に、
2010年、France_pan『ありきたりな生活』
2011年、アトリエ劇研 ALTERNA ART SELECTION『どこか、いつか、だれか』
2012年、夕暮れ社 弱男ユニット『友情のようなもの』
2013年、夕暮れ社 弱男ユニット『夕凪アナキズム』
2014年、柳川『奥さん、柳川がまたおかしなもの作ったらしいわよ』
2015年、覚えていない。
2016年、劇団飛び道具『アルト 橋島篇』
2017年、点の階『・・・』
2018年、『誰でもよかった』
2019年、居留守『ふるえる。』
2020年、山下残『Invitation』
現在はアルバイトをしながら家で映画を見ている。




岸本昌也
1987年滋賀県生まれ。神楽舞をきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学卒業、座・高円寺劇場創造アカデミー修了。現在は関西と東京を行き来し、俳優とグラフィックデザイナーとして活動中。これまでに「地点」「エイチエムピー・シアターカンパニー」などのカンパニーに出演。和田ながらが主宰するしたためには#3『わたしのある日』#4,#6『文字移植』#5『ディクテ』#7『擬娩』に参加。
撮影:宇田川俊之




紙本明子(劇団衛星/ユニット美人)
俳優、ワークショップデザイナー、演劇ワークショップ講師、たまに台本を書いたり演出したりする。
コントやライブイベントなど多数出演。
主な外部出演:ナレッジシアターこけら落とし公演『ロボット演劇版 銀河鉄道の夜』(作・演出:平田オリザ)、KAVCリーディング『あくびと風の威力』(作:角ひろみ/演出:サリngROCK)、コンブリ団「紙屋悦子の青春」(作:松田正隆/演出:はしぐちしん)
撮影: 松田ミネタカ



飯坂美鶴妃
静岡県出身。高校より演劇を始め、大学では演劇サークル劇団西一風に所属し、フリーで京都を中心に活動中。現在はNPO劇研に所属し、制作としてアクターズラボ事業に携わる。主な出演作品に、したため#5『ディクテ』(2017)、下鴨車窓route1『漂着(edge)』(2019)、夕暮れ社 弱男ユニット 春の試技祭vol.2『恋するフォーク、京都で』(2020)、劇団なかゆび10『さよなら、を言い忘れた』(2020)などがある。
撮影:木村成宏




松田早穂
兵庫県出身京都在住。俳優。大阪を拠点とする公演芸術集団dracomのメンバー。2008年よりベビー・ピーに参加、人形劇や野外テント作品等に出演。最近の出演作はdracom『今日の判定』『しじまの夜がこだまする』、ベビー・ピーの旅芝居『ラプラタ川』、若だんさんと御いんきょさん『時の崖』、したため#7『擬娩』。


■上演

鳥公園『すがれる』

※本作品が参加を予定しておりましたストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡2020」およびTHEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画“Continue”はいずれも延期となりました。開催のめどが立ちましたらあらためてご案内いたします。

https://www.bird-park.com/next

photo: 塚田史子

|西尾佳織
演出|和田ながら
出演|松田早穂(dracom)、三田村啓示、藤原美保(ソノノチ)
音響|甲田徹

西尾佳織が作・演出を兼ねる体制から、西尾の執筆した戯曲を三名の演出家が上演する新体制となった鳥公園。新体制初の上演プロジェクトとなる今回は、西尾が過去に上演した『すがれる』を和田ながら(したため)が演出を手掛けます。

『すがれる』は、漢字では「末枯れる」と書く。「盛りを過ぎて衰え始める。風化し始める。植物が、冬をむかえて枯れていく」という意味の言葉だ。私たちはみんな、スエ・カレル。終わりに向かう、その変化の始まりに気付いた人は、一体どれだけの時間、その人を(あるいは土地を、物事を、)見つめていたのだろう。

ストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡2020」での野外上演、そしてTHEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画「Continue」での劇場上演。2都市、2ヴァージョンでお届けします。

静岡公演 ※延期決定

★ストリートシアターフェス「ストレンジシード静岡2020」参加
https://www.strangeseed.info/

会場[エリア]常磐公園エリア [ベニュー]プロムナード

日程|2020年5月2日(土)~5日(火)

上演時間|30分(予定)

料金|予約不要・観覧無料 ※投げ銭歓迎!

ストリートシアターフェス ストレンジシード静岡
日程|2020年5月2日(土)~5日(火・祝)
会場|駿府城公園、静岡市役所・葵区役所、常磐公園など静岡市内
主催|静岡市
共催|SPAC-静岡県舞台芸術センター

京都公演 ※延期決定

★THEATRE E9 KYOTO×京都舞台芸術協会ショーケース企画“Continue”参加
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200515

会場THEATRE E9 KYOTO(〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1)

日程|2020年
5月15日(金) 19:00 A
5月16日(土) 14:00 B★ / 19:00 A
5月17日(日) 14:00 A★ / 19:00 B
5月18日(月) 14:00 B
※上演時間  各団体約1時間を予定
※途中10分間の休憩を挟みます

Aプログラム|鳥公園/NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)
Bプログラム|正直者の会/ドキドキぼーいず

★感想シェア会
終演後に劇場1F にあるCafe&Restaurant Odashiにて、感想シェア会を行います。
どなたでも参加可能です。作品を見て感じたこと・考えたことを、同じ作品を観た人同士でシェアしてみませんか。
*参加にはお一人ワンドリンクご注文いただきます。

チケット
[自由席/日時指定/税込]
前売 一般:3000円 U-25:1500円
当日 一般:3500円 U-25:2000円
AB通し券*  一般:5000円 U-25:2500円
*AB通し券について
・プログラムA,Bをそれぞれ一回ずつご覧いただけます。
・チケット申し込みの際に、希望する2つの回を備考欄に記入ください。
・予約限定の販売となります。当日はお買い求めいただけませんのでご注意ください。

舞台監督|河村都
照明|吉本有輝子
企画・製作
THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
NPO法人京都舞台芸術協会
制作|福森美紗子
宣伝美術|永戸栄大

主催|THEATRE E9 KYOTO(一般社団法人アーツシード京都)
共催|NPO法人京都舞台芸術協会
協力|NPO法人大阪現代舞台芸術協会(DIVE)

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鳥公園
2007年に劇作家・演出家の西尾佳織が結成。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボけた角度から、柔らかな光を当てようと試みている。言葉や状況が野蛮にコラージュされた戯曲は、生理的な感覚を物質のようにごろりと示し、この世界に生きることの違和感を露出させる。「存在してしまっていること」にどこまでも付き合う作風が特徴。
2020年より、和田ながら(したため)、蜂巣もも(グループ・野原)、三浦雨林(隣屋)を演出家に迎え、西尾は劇作と主宰業を担う新体制に移行。
https://www.bird-park.com/




藤原美保 ふじわら・みほ
1990年、京都府亀岡市出身。高校より芝居をはじめる。専門学校の声優科を卒業後、上京。俳優養成所にて2年間学んだ後、地元に戻り、2014年にソノノチに入団。以降、全作品に出演している。その他、演劇ワークショップ講師や、高校での声優の授業を担当している。http://sononochi.com/


松田早穂 まつだ・さほ
兵庫県出身京都在住。俳優。大阪を拠点とする公演芸術集団dracomのメンバー。2008年よりベビー・ピーに参加、人形劇や野外テント作品等に出演。最近の出演作はdracom『今日の判定』『しじまの夜がこだまする』、ベビー・ピーの旅芝居『ラプラタ川』、若だんさんと御いんきょさん『時の崖』、したため#7『擬娩』。
撮影:永田晶子

三田村啓示 みたむら・けいじ
主に大阪を中心に活動。2005年より空の驛舎に所属する傍ら、ジャンルを問わず外部出演も多数。近年では俳優以外の活動も並行して行い、明倫art(京都芸術センター発行)の演劇レビューを3年間担当。また観客と創作者の交流の場として、小劇場観劇講座の運営に携わっている。また、大阪の老舗小劇場・ウイングフィールドが主催する若手対象のコンペティション・ウイングカップの審査員として、新しい才能の発掘にも取り組んでいる。2018年より、大阪アーツカウンシル・アーツマネージャー。第18回関西現代演劇俳優賞男優賞受賞。
撮影:永田晶子


■本公演
したため#7『擬娩』京都・沖縄二都市ツアー

分断に取り囲まれたわたしたちに残された手立ては、想像力の再起動だ

演出|和田ながら
美術|林葵衣
出演|岸本昌也 増田美佳 松田早穂(dracom) 三田村啓示

京都を拠点に活動する演劇ユニット・したためは、太田省吾、多和田葉子、テレサ・ハッキョン・チャなど言語の可能性を探求する作家たちのテクストを逐語的に接写するような作品、また、日々の暮らしのささやかな記憶を思い出すこと/思い出しそこなうことをめぐる作品を制作してきました。
そのしたためが新たに出会ったモチーフは、妻の出産前後にその夫が妊娠にまつわる行為を模倣する「擬娩(ぎべん)」。この奇妙な、そしてあまりに演劇的な習俗は、さまざまな分断に取り囲まれた今のわたしたちにこそ必要な想像力に違いありません。

したためが現代に再起動する「擬娩」に、どうぞお立ち会いください。


 


わたしは妊娠したことがありません。したことがないので、できるのかもわかりません。わたしは妊娠にあこがれているのかもしれないし、妊娠を恐れているのかもしれない。真剣に考えることをのらくら避けてきた末に焦りにがんじがらめになってしまって、しかしその時ひらめいたのが、妊娠と出産のリハーサルでした。妊娠したことがない人間が妊娠をリハーサルするなら、女だけじゃなくて男も一緒にリハーサルしてみよう。そんなことを考えていたら、「擬娩」という人類学の用語に行き着きました。妊娠を演じるというアイデアは、人類の古くからの知恵だった! 驚くと同時に腑に落ちました。妊娠を演じることは、わたしひとりが考えていたよりもはるかに人間に必要で、そしてそれはまさしく今なのだと。
したため 和田ながら

「擬娩」とは…
これらの習俗は、子供の父が、子供の出産当時あるいはその以前又は産後のある期間、自分の床につき、節食に服して、しかも、その妻ではなくて、彼が分娩の苦痛を受けているかのごとく、一般に振舞うべき事を必要としている。その完全な形態においては、擬娩を遵奉する夫は、自分の床について、産褥にいるふうをし、時には、うめいたり、顔をしかめたりすることによって、分娩の諸々の苦痛を真似ることさえし、また時には、その妻の衣類を着ることさえある。『擬娩の習俗』(著:ワーレン・アール・ドーソン/訳:中西定雄/1929年)より

公演情報
京都公演 [ THEATRE E9 KYOTO オープニングプログラム ]

日程|2019年12月
6日(金)19:30
7日(土)14:00*1 / 19:00*2
8日(日)14:00*3 / 19:00*4
9日(月)14:00*5
*受付開始は開演の30分前

ポスト・パフォーマンス・トーク ゲスト
*1 櫻井拓(編集者)
*2 林葵衣(美術家/本作舞台美術担当)
*3 弓井茉那(BEBERICA theatre company代表・演出/俳優)
*4 本作出演者
*5 「感想シェア会」
作品を見て感じたこと・考えたことを、
同じ作品を観た人同士でシェアしてみる試みです。
詳細は⇒ http://kyoto-pa.org/
主催|NPO法人京都舞台芸術協会

会場
THEATRE E9 KYOTO (〒601-8013 京都市南区東九条南河原町9-1)
*JR「京都」八条口から徒歩約14分
*京阪本線・JR「東福寺」から徒歩7分
*京都市営地下鉄「九条」から徒歩11分


沖縄公演 [ アトリエ銘苅ベース提携カンパニー公演 ]


 

日程|2019年12月
13日(金)20:00
14日(土)19:00*1
15日(日)14:00*2
*受付開始は開演の30分前

ポスト・パフォーマンス・トーク ゲスト
*1 Miwa Matayoshi(soremomatayoshi)
*2 芦立さやか(アートコーディネーター)

会場
アトリエ銘苅ベース(〒900-0004 沖縄県那覇市字銘苅203番地)
*ゆいレール「古島」から徒歩8分

■クレジット
照明|吉田一弥
音響|甲田徹、林実菜
舞台監督|北方こだち
制作|渡邉裕史(ソノノチ)
京都公演制作協力|田中直樹(劇団ひととせ)
沖縄公演制作協力|鳥井由美子(ソー//キュー)

京都芸術センター制作支援事業
助成|京都府文化力チャレンジ補助事業(京都公演)
提携|アトリエ銘苅ベース(沖縄公演)
後援|NPO 法人京都舞台芸術協会、那覇市(沖縄公演)
主催|したため


■プロフィール


林葵衣 はやし・あおい
美術家。身体と意識のズレの可視化をコンセプトに、反復によるずれ、色彩の残像、音声の保存をテーマにした作品を制作してきた。自分のものではないようにもどかしく思う見えない身体のふるまいと対話し、目に見える形を与え、提示している。1988年 京都出身、京都在住。京都造形芸術大学院修士課程修了。近年の活動に「VOCA展2018現代美術の展望・新しい平面の作家たち」(2018/上野の森美術館・東京)、「京都府新鋭選抜展」(2019/京都文化博物館)、歌声の可視を試みた個展「詩の復唱」(2019/KUNST ARZT・京都)がある。
撮影:守屋友樹



岸本昌也 きしもと・まさや
1987年滋賀県生まれ。神楽舞をきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学卒業、座・高円寺劇場創造アカデミー修了。現在は関西と東京を行き来し、俳優とグラフィックデザイナーとして活動中。これまでに「地点」「エイチエムピー・シアターカンパニー」などのカンパニーに出演。したためには#3『わたしのある日』#4,#6『文字移植』#5『ディクテ』に続き、4回目の参加となる。また、本公演のすべてのチラシデザインを手掛ける。
撮影:宇田川俊之



増田美佳 ますだ・みか

ダンサー / ゴーストライター。1983年京都生まれ。これまでに演劇、ダンス問わずさまざまな舞台作品に出演。近年は架空の詩人・文筆家 嵯峨実果子のゴーストライターとしても活動し『パラピリオの森』『Kawalala- rhapsody』では作品の主軸となるテキストを執筆する。ジャンル横断的に活動する流動ユニット「mimacul」主宰。『ミことば』で平成27年度第33回世田谷文学賞 詩部門受賞。301句会所属。ウェブマガジンCLASSROOM Magにてコラム「惑生探訪記」を連載中。http://classroom-mag.com 京都市立芸術大学非常勤講師。
撮影:古林正江



松田早穂 まつだ・さほ
兵庫県出身。俳優。大阪を拠点とする公演芸術集団dracomメンバー。京都大学文学部卒業。2008年よりベビー・ピーに参加、人形劇や野外テント作品等に出演。衣装と仮面も製作。他、兵庫県立ピッコロ劇団、B.LET'S、dracom等の作品に出演。



三田村啓示 みたむら・けいじ
主に大阪を中心に活動。2005年より空の驛舎に所属する傍ら、ジャンルを問わず外部出演も多数。近年では俳優以外の活動も並行して行い、明倫art(京都芸術センター発行)の演劇レビューを3年間担当。また観客と創作者の交流の場として、小劇場観劇講座の運営に携わっている。また、大阪の老舗小劇場・ウイングフィールドが主催する若手対象のコンペティション・ウイングカップの審査員として、新しい才能の発掘にも取り組んでいる。2018年より、大阪アーツカウンシル・アーツマネージャー。第18回関西現代演劇俳優賞男優賞受賞。
撮影:永田晶子



■公演

photo by Koichiro Kojima 
上:BRDG『通信ノート』 下:したため『文体練習』(いずれも2019、若葉町ウォーフ) 

BRDG『通信ノート』/したため『文体練習』
*KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019 フリンジ「オープンエントリー作品」

京都を拠点に2011年から活動を始めたふたつの同世代ユニット、
BRDGとしたためが、2019年2月に横浜・若葉町ウォーフで
二本立て上演をおこなった『通信ノート』と『文体練習』を
ホームグラウンドの京都・UrBANGUILDで再演します。

その活動の初期から現在に至るまで、海外から京都に
移り住んだ人々の声を収集してきたBRDG による『通信ノート』は、
蓄積してきたインタビューを再編集し、「通信エラー」に
絡まりながらも繋がろうとする人々の姿を描きます。
1947年にレーモン・クノーが著した同名書の作法に倣って、
日々の記憶をスライスし、文法の遊びから
新たな解像度で世界を捉えようとする『文体練習』は、
したための現在地であるのと同時に原点とも言える作品です。

異なるアプローチと作風でありながらも、
ともに「言葉」「声」「翻訳」といった共通のモチーフに
関心を寄せるふたつのユニットによる珠玉の短編2本立て。

*英語字幕付き上演

したため『文体練習』
演出|和田ながら
出演|穐月萌、今村達紀
顧問|長洲仁美

BRDG『通信ノート』
演出|山口惠子
出演|伴戸千雅子、出村弘美

照明|川島玲子

日程|2019年10月
22日(火・祝) 19:30
23日(水) 19:30
*開場は開演の30分前
*終演後に演出家2名によるトークあり

会場UrBANGUILD (〒604-8017 京都市中京区材木町181−2 ニュー京都ビル3F)

団体プロフィール


したため 
京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいは捉えそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作。





photo: Toshiyuki Udagawa









BRDG 2011年、京都を拠点に俳優・演出の山口惠子とアートコーディネーターの川那辺香乃が結成したグループ。山口は2012年より京都に住む海外からの移住者にインタビューを行い、演劇作品を創作している。
https://brdg-ing.tumblr.com/





photo: Koichiro Kojima








主催BRDG、したため



出演者プロフィール







photo: Koichiro Kojima








今村達紀 いまむら・たつのり
1981年愛媛県出身、京都市在住。大学から演劇をはじめその延長で踊りをはじめる。劇場、教会、寺、バー、ライブハウスなど様々な場所で踊る。ある音楽家にいわせると、「光の射す厨房で和菓子を丹精につくっているような」ダンスを踊る。2019年6月よりDrums斉藤慶司とのユニット「koto-ba-shiru」始動。
















穐月萌 あきづき・もえ
1987年生まれ。京都造形芸術大学舞台芸術コース卒業。卒業後は5年間神社で働く。和田ながら演出『肩甲骨と鎖骨』をきっかけに演劇活動を再開。現在、印刷会社勤務。最近の出演作品はしたため『文字移植』、中川 裕貴、バンド『ここでひくことについて』等。


















伴戸千雅子 ばんど・ちかこ
ダンサー/振付家。1999-2011年舞踏グループ「花嵐」で活動。2011年からソロ活動を始め、舞踏の身体観をベースに社会生活で感じる些細な違和感を作品にする。女性の子育てや介護体験をテーマにした『おしもはん』、自閉症の感覚を言葉から探った『dots』、ダンサーや俳優、ミュージシャンと落語をダンス化する『落語ダンス』シリーズなど。2016年『猿とモルターレ』(演出:砂連尾理)、『SONG』(演出:Leyna M Papach)に出演。2004年以降、視覚障害、知的障害、精神障害のある人など、さまざまな人とワークショップを行っている。


















出村弘美 でむら・ひろみ
俳優、他。京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科卒業。濱口竜介監督『ハッピーアワー』出演。 BRDGには2011年活動開始時より参加。








■公演
左部分:したため『文字移植』(2018、こまばアゴラ劇場) photo by Toshiyuki Udagawa
右部分:BRDG『Whole』(2018、studio seedbox) photo by Koichiro Kojima 



BRDG『通信ノート』/したため『文体練習』
*TPAM in Yokohama 2019 フリンジ参加

活動を始めた当初からBRDGが収集してきた
海外から京都に移り住んだ人たちへのインタビューを再編集し、
移住者とその子どもたちの世代間をつなぐ『通信ノート』。
さまざまなテクストを巡ってきたしたためが日常生活の文法をときほぐし、
新たな解像度によって世界を捉えようとする『文体練習』。
ともに京都を拠点として2011年から活動を開始した同世代の演劇ユニット、
BRDG としたための短編ダブルビルを、横浜で。

したため『文体練習』
演出
|和田ながら
出演|今村達紀 長洲仁美

BRDG『通信ノート』

演出|山口惠子
出演|伴戸千雅子、出村弘美

照明|川島玲子
舞台監督|北村侑也

日程|2019年2月
11日(月・祝) 19:00
12日(火) 11:00 / 17:00

会場若葉町ウォーフ (〒231-0056 横浜市中区若葉町3-47-1)


団体プロフィール
BRDG 2011年、京都を拠点に俳優・演出の山口恵子とアートコーディネーターの川那辺香乃が結成したグループ。山口は2012年より京都に住む海外からの移住者にインタビューを行い、演劇作品を創作している。

したため 京都を拠点に活動する演出家・和田ながらのユニット。日常的な視力では見逃し続けてしまう厖大な細部を言葉と身体で接写する、あるいは捉えそこないつまづくさまを連ねるように作品を制作。

出演者プロフィール
















今村達紀 いまむら・たつのり愛媛県松山市出身。大学で堆積学を専攻し愛媛県郡中層の堆積層序を研究する。その後病理切片の薄切、染色など光学顕微鏡及び電子顕微鏡の試料制作に関わる。2008年より京都に拠点を移しe-danceにダンサー、振付家、tuba奏者として関わる。その後国内外でダンス、演劇、パフォーマンスなどいろいろな振付家、演出家、美術家などの作品に出演。黒魔術の教会から寺院、屋上から地下駐車場まで様々な場所で踊る。2017年、毎日一回どこかで息を止めて踊る「無呼吸」プロジェクトでSeoul Dance Center International Artist in Residence Program に選出されソウルで一ヶ月滞在制作を行う。















長洲仁美 ながす・ひとみ
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科 映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。



















伴戸千雅子 ばんど・ちかこ
ダンサー/振付家。1999-2011年舞踏グループ「花嵐」で活動。2011年からソロ活動を始め、舞踏の身体観をベースに社会生活で感じる些細な違和感を作品にする。女性の子育てや介護体験をテーマにした『おしもはん』、自閉症の感覚を言葉から探った『dots』、ダンサーや俳優、ミュージシャンと落語をダンス化する『落語ダンス』シリーズなど。2016年『猿とモルターレ』(演出:砂連尾理)、『SONG』(演出:Leyna M Papach)に出演。2004年以降、視覚障害、知的障害、精神障害のある人など、さまざまな人とワークショップを行っている。


















出村弘美 でむら・ひろみ
俳優、他。京都造形芸術大学 映像・舞台芸術学科卒業。濱口竜介監督『ハッピーアワー』出演。 BRDGには2011年活動開始時より参加。関東での公演は2017年6月 中川裕貴、バンド1st albumリリースライブ以来、2度目。



主催BRDG、したため










■公演
倉田翠と、和田ながらと、

ふたりのアーティストが
これまでつちかってきたクリエイションの方法をプラットフォームにひらく
表現のラボラトリー

京都を拠点に活動する倉田翠と和田ながら。
精力的に作品制作に取り組み、異なる分野のアーティストとも交流をもち、
舞台表現が持つ独自のフレームについて思考を深めてきたふたりが、
これまでつちかってきた各々の創作方法を
新たな出会いのプラットフォームとしてひらこうと出演者を公募しました。
ふたりの稽古場に集った総勢17名の出演者たちとの
およそ半年にわたるクリエイションを経たふたつの新作を発表します。


photo:Kai Maetani
『リディア』

ねぇリディア、私はあなたくらいの歳の頃、
「大人になったら楽に生きられるようになるのだろう。」と思っていました。

最近大人のような歳になり、そんなことはないのだな、ということがわかった。
例えば傷付かないようにする術を覚えたり、
心の頼りどころを見つけ、何かから逃げるのは上手くなって行くとは思う。

私には信仰心がありませんので、神様はいません。
でも私たちは、神や仏のように、人、本、法律のようなルール、
ネットの情報、ペットのカメかもしれない、
そのような、何かしらどうしようもない時に頼るものを持っているはずで、
時にそれは、神だと信じていたものが外から見れば犯罪者だったり、
その信仰を正しいと思うが故に争いを引き起こしたりする。
そんな不安定な何かを信じて何とか生きてる。

懺悔します。
私に神様はいません。
誰が私を許してくれましたか?

演出|倉田翠
出演|石田英臣 ヰトウホノカ(ドキドキぼーいず)
   井ノ口万美恵 白鳥達也 デツ禎稀(Super D)
   中谷仁美 中村こず恵 長田美穂子 西川尚貴
   フォール・リディア 藤白奏(劇団ウンウンウニウム)


『幽霊の背骨』

いままでわたしのいろいろな作品の現場で編みだされてきた方法を、
集まってくれた6人と一緒に、ただただ遊んでみていた。
それは、ふだんのものの見方をそっと横にずらし、
なるべくずっこけた文法で日常をあらためて精読する、
というような、ひそやかで野心あふれるくわだてだった。
たとえば、きのうの行動、だれかが撮った写真、
立ち上がってコートをはおること、鴨川の三角州からの眺め、
暮らしている部屋、手のひらの皺を、わたしたちはこころゆくまでハッキングした。
そうやって日常を脱いだ6人の身体は、ときおり、幽霊のように見えた。
数年前、同じ場所で、『肩甲骨と鎖骨』という作品を上演したことを思いだした。
わたしは、幽霊の背骨にさわってみたい、とつぶやいたわたしの声を聞いた。

演出|和田ながら
出演|阿部友香 今井美帆 梅宮さおり
   塚田真悠子 辻野恵子 狭間要一


日程|2019年1月
25日(金)14:00/19:00
26日(土)14:00/19:00
27日(日)11:00/16:00
*『リディア』『幽霊の背骨』の2本立て上演

会場studio seedbox
〒601-8011 京都市南区東九条南山王町6-3-3F

■クレジット
照明|魚森理恵(kehaiworks)
音響|甲田徹
舞台監督|北方こだち
宣伝美術|岸本昌也
制作|豊山佳美
制作助手|黒木優花

京都芸術センター制作支援事業

共催|一般社団法人アーツシード京都
主催|したため

■プロフィール














倉田翠 くらた・みどり

1987 年生まれ。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。3 歳よりクラシックバレエ、モダンバレエを始める。京都を中心に演出・振付家・ダンサーとして活動。作品ごとに自身や他者と向かい合い、そこに生じる事象を舞台構造を使ってフィクションとして立ち上がらせることで「ダンス」の可能性を探求している。2016年から倉田翠とテクニカルスタッフのみの団体〈akakilike〉の主宰を務め、アクターとスタッフが対等な立ち位置で作品に関わる事を目指し活動している。近年の作品に『家族写真』『捌く』『はじめまして こんにちは、今私は誰ですか?』などがある。
photo: 山下一夫

■企画・演出

「岸井戯曲を上演する in Kyoto #1」https://playkishiiplays.tumblr.com

『埋蔵する』
荒木美由
和田ながら

『油彩画家のための戯曲』
山口惠子
渡辺美帆子

岸井大輔の戯曲は、演劇やダンスだけではなく絵画やアートプロジェクトでも広く上演されています。一つの戯曲の様々なジャンルのアーティストによる異なるバージョンでの上演と、上演を行った同士の対話を行うことで、現代戯曲の可能性を考えるシリーズ。
2016年9月から1年にわたり毎月blanClassで開催された企画が2017年より全国に拡大。
京都での第一回開催は、日本語も忘れ去られた遠い未来に発掘上演されるために書かれた戯曲「埋蔵する」と、演劇とは相性のあまりよくないと思われる油絵の画家が絵をかくためにかかれた戯曲「油彩画家のための戯曲」。
岸井戯曲の中でも上演が困難という意味で代表的な2本の戯曲の4人の作家による上演です。

日時|2018年10月25日(木) 開場 19:00 開演 19:30
会場|UrBANGUILD
   京都市中京区木屋町三条下ルニュー京都ビル3F TEL/FAX 075-212-1125
   *京阪三条駅[6番出口]から徒歩約3分、阪急河原町駅[1番出口]から徒歩約6分。
お問合せhttps://playkishiiplays.tumblr.com


■本公演
したため#6『文字移植』

わたしはどうしてもこの〈小説〉を翻訳してしまわないといけないと島へ来てからそ のことばかり考えているくせに実際にはまだ何もしていなかった。あと一日しか残さ れていないというのにわたしはまだ何をどう訳せばいいのか見当もつかずにいた。
多和田葉子『文字移植』より(講談社文芸文庫「かかとを失くして|三人関係|文字移植」)



2016年に初演をおこなった代表作『文字移植』の再演に臨みます。
ドイツ語と日本語、ふたつの言語を往還しながら創作活動を展開する作家・多和田葉子の初期作『文字移植』は、読点のない地の文と読点のみで連ねられていく逐語的な翻訳文、そのふたつが交互にあらわれるという特異な構造をもった短編小説。移して植えかえたものがより強く生きるのか弱って死んでしまうのか、はたまたまったく別の変容を遂げてしまうのか、誰もわからない。けれど、多和田葉子の言葉を俳優に「移植」したいと望み、愚直な疾走に懸けた初演は、美術家・林葵衣の手がけた舞台美術と共に高い評価を得ました。
この夏、したためはふたたび走り出します。さらに遠くへ、もっと向こうへ。したため初の東京公演、どうぞご期待ください。

2016年初演時のレビュー

彼ら、彼女らはどのように言葉と向き合っているのだろうか。言葉の群れの生命を守ること。そのことを使命として与えられ、全員が一丸となってその命の火を決して絶やさないように、次から次へと新しい肉体へ移植し続けている、そのように見受けられるというのが個人的な見解である。――綾門優季(青年団リンク キュイ主宰/劇作家/演出家)
アトリエ劇研 CRITIQUE より一部抜粋

それぞれの人物は翻訳されようとして、未だ意味を決定されない文字に、見えてくる。または意味を決定されない人物に、見えてくる。意味が途中で剥奪された身体に、見えてくる。権威を聖ゲオルグに奪われた、竜に見えてくる。(中略)したため。それは豊穣さを呼びこむ、新しい作法なのかもしれない。――川崎歩(ダンス・映像作家)
アトリエ劇研 CRITIQUE より一部抜粋

「犠牲者」という単語は、ドイツ語では「O」の字で始まる(Opfer)。紙面を蝕む、「O」のかたち。それは、空虚な穴であり、犠牲者が沈黙の叫びをあげる口のかたちなのかもしれない。ドイツ語から日本語へ、書かれたテクストから生身の身体が発語する演劇へ、エフェメラルな音声から物質的な痕跡へ。(中略)俳優の身体表現と声、舞台装置によって、テクストの密度が音響的・立体的に立ち上がり、「テクストは平面ではない」ことが身体的に了解された、優れた公演だった。――高嶋慈(美術批評)「artscape」レビュー (大日本印刷発行、2016年7月15日号) より一部抜粋


 

したため#4『文字移植』2016年6月/アトリエ劇研(京都) photo: Kai Maetani


公演情報

原作|多和田葉子
演出・構成|和田ながら
美術|林葵衣
出演|穐月萌 岸本昌也 菅一馬 多田香織(KAKUTA)

日程|2018年8月11日(土)~14日(火)
11日(土) 19:00*1
12日(日) 14:00*2/19:00*3
13日(月) 14:00*4/19:30*5
14日(火) 14:00*619:00*追加公演
*受付は開演の40分前より開始いたします。開場は開演の20分前を予定しております。

ポストパフォーマンストーク
終演後、ゲストをお招きして作品にまつわるトークを実施します。
*1 綾門優季(青年団リンク キュイ主宰/劇作家/演出家)
*2 蜂巣もも(グループ・野原/青年団演出部)
*3 渋革まろん(批評家/演出家)
*4 佐々木敦(批評家)
*5 川崎徹(小説家)、林葵衣(美術家/本作舞台美術担当)
*6 岡里崇(学芸員/上野の森美術館)、林葵衣(美術家/本作舞台美術担当)

会場こまばアゴラ劇場 〒153-0041 目黒区駒場1-11-13

■クレジット
照明|吉田一弥
音響|甲田徹
衣装|清川敦子(atm) 
舞台監督|北方こだち
宣伝美術|岸本昌也
メインビジュアル|林葵衣
制作|渡邉裕史
制作助手|新原伶(劇団なかゆび)

京都芸術センター制作支援事業

芸術総監督|平田オリザ
技術協力|鈴木健介(アゴラ企画)
制作協力|木元太郎(アゴラ企画)
企画制作|したため/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
助成|文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)
         独立行政法人日本芸術文化振興会
主催|(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場


■プロフィール

作|多和田葉子 たわだ・ようこ
小説家・詩人。1982年、早稻田大学第一文学部ロシア文学科卒業。同年よりドイツに渡る。ハンブルグ大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。1993年、『犬婿入り』で芥川賞受賞。ドイツでは1987年に詩集でデビュー。1988年からはドイツ語でも創作を開始し、ドイツ語での文学活動によって1996年にシャミッソー賞、2005年にゲーテ・メダル、2016年にクライスト賞を受賞。著作は多数の言語に翻訳されている。


美術|林葵衣 はやし・あおい
1988年京都出身、京都在住。美術家。身体と意識のズレの可視化をコンセプトに、動作の反復や視覚と音声の関係を問い直す作品を制作している。京都造形芸術大学情報デザイン学科映像メディアコース卒業、同大学大学院修士課程修了。近年の活動として「VOCA展2018現代美術の展望・新しい平面の作家たち」(2018/上野の森美術館・東京)、「アート/メディア - 四次元の読書」(2017/国立国際美術館・大阪)出品、声の保存をテーマとした個展「声の痕跡」(2017/KUNST ARZT・京都)など。http://hayashiaoi.tumblr.com/

photo: Ayumi Okamoto



出演|穐月 萌 あきづき・もえ
1987年生まれ。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科舞台芸術コース卒業後、神社に奉職し、事務仕事をしながら巫女舞を舞う。大学を卒業してから5年間は演劇から離れていたが、したため『肩甲骨と鎖骨』への出演を機に演劇活動に復帰。現在は印刷会社に転職し、文字組やレイアウトを習得中。




出演|岸本昌也 きしもと・まさや 
1987年生まれ。滋賀県出身。神楽を始めたことをきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業後、座・高円寺劇場創造アカデミーにて舞台芸術を学ぶ。これまでに「地点」「カンパニーデラシネラ」などの作品に出演。石見神楽東京社中在籍。

photo: Tatsuki Katayama


出演|菅一馬 すが・かずま
1990年生まれ、京都府出身。俳優。京都精華大学卒業。主な出演作品、デ『もう、これからは何も』(2014)、したため『文字移植』(2016)、VOGA『aboutXX』(2017)など。そのほか個人で演劇作品の発表も行っている。主な作品、『ムスメの貝割れ大根』(2014)、『かばの油』(2014)など。




出演|多田香織 ただ・かおり
1987年生まれ、福岡県出身。高校時代より演劇を始める。2006年から2015年まで福岡の劇団万能グローブガラパゴスダイナモスに所属、看板女優として活躍する。2015年から東京に拠点を移し、劇団KAKUTAに入団。舞台出演の他に、テレビドラマ、CM、映画など多方面で活動するほか、ラジオドラマやナレーションでの出演も多数。



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■演出として参加

KAC TRIAL PROJECT / Co-program 2017 カテゴリーD(KACセレクション)

粘土の味『オフリミット』

|合田団地(努力クラブ) 演出|和田ながら(したため)

――本当に良かったんですか?
――え?
――私なんかと
――良かったから、今、一緒にいるんじゃないですか
――悲しいことを訊きました。ごめんなさい

努力クラブを主宰する作家・演出家の合田団地と、したためを主宰する演出家の和田ながら。京都を拠点とし、奇しくも同じ2011 年に自身のユニットの活動を始め、またさらに1987 年生まれの同い年――作風のギャップとは裏腹に共通点の多いこのふたりが、このたび、新たなユニット「粘土の味」を結成しました。多彩なバックグラウンドをもつ出演者を迎え、合田が書き下ろす新作戯曲を和田が演出する、一対一の真剣勝負に臨みます。
さまざまな手が重なりながらこねあげられる粘土のかたちは、そして、その味は?
 
日程|2018年1月
26日(金)19:30*
27日(土)14:00 / 19:30*
28日(日)11:30 / 17:00
*26日(金)19:30、27日(土)19:30の終演後、作・合田団地と演出・和田ながらのトークを行います!

会場|京都芸術センター フリースペース
〒604-8156 京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2

■クレジット
作|合田団地(努力クラブ)
演出|和田ながら(したため)
出演|
石川信子
金子仁司
長洲仁美
堀井和也
FOペレイラ宏一朗(プロトテアトル)
山口惠子(BRDG)
照明|吉津果美
音響|甲田徹
舞台監督|北方こだち
宣伝美術|岸本昌也
制作|渡邉裕史
制作補佐|義村夏樹
協力|プロトテアトル BRDG 努力クラブ したため
助成|京都府文化力チャレンジ補助事業
共催|京都芸術センター
主催|粘土の味

 

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■岸井戯曲を上演する in OSAKA #0 参加
https://takutakuf.wixsite.com/kishii-jouen-zero

岸井大輔さんの戯曲を上演する企画に和田が参加します。
和田を含め6組のアーティストが上演にとりくみます。

『ふるまいのアーキビスツ』


|岸井大輔
演出|和田ながら
出演|長洲仁美

アーカイブは、それをいったい誰がいつどこで開いてしまうのか、
アーカイブするひとにはわからない。
アーカイブしているここと、開かれるそこに、
どれほどの隔たりがあるのかを測ることができない。
でも、きっと誰かが開くだろうと思いながら仕事をしている。
俳優がふるまいをアーカイブする、そして、
そのアーカイブの媒体として自分のからだをつかうとすると、
そのアーカイブが開かれるとき、
そのアーカイブに手をかけている俳優は、
どこにいると言ったらよいのだろう。


日程|2017年12月27日(水)
公開ゲネプロ 14:00 / 公演 19:00
​*開場は各30分前

上演時間|3時間(予定)
*上演途中の入退場自由ですが、鑑賞中のお客様へのご配慮はお願い致します。

会場阿部野長屋
〒545-0011 大阪市阿倍野区昭和町4-6-8
*JR阪和線「南田辺駅」西口より徒歩3分
*地下鉄御堂筋線「西田辺駅」1番出口より徒歩7分
*お車をご利用の際には、お近くのコインパーキングをご利用ください。​

チケット料金
公開ゲネ 2,000円 / 公演 3,000円
*ご予約無しのご来場の場合、+500円
*「ゲネ」は公演前のリハーサル、最終の通し稽古とお考えください。
*落ち着いた状態での作品鑑賞を希望される方には、「ゲネ」はお勧め致しません。
*19時開演の「公演」は、飲物持ち込み可です。

ご予約​​https://takutakuf.wixsite.com/kishii-jouen-zero/ticket

参加アーティスト
伊藤拓也 うんなま 住吉山実里
古川友紀 向坂達矢 和田ながら

トークゲスト|渋革まろん

企画|伊藤拓也 ​岸井大輔


プロフィール|


長洲仁美 ながす・ひとみ
茨城県出身。京都造形芸術大学映像舞台芸術学科 映像芸術コース卒業。卒業後に、dracom、大橋可也&ダンサーズ、Marcelo Evelin、したため等の作品に出演。




岸井大輔 きしい・だいすけ
劇作家。1995年より、他ジャンルで追求された創作方法による形式化が演劇でも可能かを問う作品を制作している。代表作『P』『potalive』『文』『東京の条件』
1970年11月生。
最初の記憶から人形劇をしている。小学校ではままごとと学級会演劇に明け暮れる。
1982年開成中学入学。演劇部で小劇場と諸現代芸術を見ながら、演劇だけが近代芸術であることに疑問をもつ。
1989年早稲田大学大一文学部入学。1995年に演劇以外の芸術ジャンルは、そのジャンルを定義することでジャンルそのものを問い直した先達が現代芸術を創った(美術におけるバウハウス・デュシャン、音楽におけるシェーンベルク・ケージ・シェーファー、ダンスにおけるラバン・フォーサイスのような)が、演劇にはいないことが、演劇が近代芸術である原因だと確信する。あるいは芸術におけるモダニズムの完遂を「創作方法によるジャンルの形式化」と捉え、われわれの世代の演劇人の歴史的役割はこの問題と向き合うことだろうと考え、創作の指針とする。
1995年から、スタニスラフスキーシステムなどの演劇創作の方法論を形式と捉え、演劇概念を拡張する試行を開始。記憶の再生が演技を生み出す事そのものを演劇と見なすプロジェクト『記憶の再生』、判断を全てサイコロに委ねる演劇『P』などを発表。その過程で、演劇を「人間の集団を素材とする」と定義。人間集団として、「まち」を捉え、まちが表現する状況を設定する作品群『POTALIVE』、人間集団へ出入りする場を演劇として提示するシリーズ『LOBBY』、集団が良い劇を創作する方法の一つを形式化したワークショップのシリーズ『作品を創る/演劇を創る』、日本集団を日本語を通して捉えるプロジェクト『文(かきことば)』などがある。
2009年から2012年には、東京における公共を考えるために、ハンナアーレントの『人間の条件』を戯曲と見なし都内で上演するプロジェクト『東京の条件』実施。会議体/準備室などの諸プロジェクトを通し、人間集団を創る作品を手掛ける。
2013年上演を『人間集団を美的に捉えそれに立ち会うこと』と定義した。

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■亀山トリエンナーレ2017参加
守屋友樹と和田ながら『山と海に貼り付けた』
















昨年、『石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ』で共作した写真家・守屋友樹さんと、新しいパフォーマンス作品を制作します。ダンサーの正木悠太さんを出演者として迎え、三重県亀山市でおこなわれる亀山トリエンナーレの中で発表します。

演出|和田ながら
写真|守屋友樹
出演|正木悠太

日程|2017年
9月24日(日)13:00 / 16:00
10月8日(日)13:00 / 16:00

料金|無料

会場|喫茶佳 駐車場
三重県亀山市東町1-4-6

正木悠太 まさき・ゆうた
1990年、奈良生まれ。学生時代からダンスを始める。近畿大学にて碓井節子に師事。2016年にラトビアへ留学。世界中で踊れるようになりたいと思っています。これまでに、男肉 du Soleil 、THE ROB CARLTON、大橋可也&ダンサーズ など、ダンス・演劇問わず作品に参加。室伏鴻アーカイブスメンバー。






亀山トリエンナーレ|
三重県亀山市で開催される現代美術の芸術祭。
三重県唯一の公募による現代アートの芸術祭で、2008年より開催されている。「『アート』を『街』に取り入れることで、人と作品が出会い、街の活性化と芸術文化の振興につなげる」、がコンセプト。2017年には、若者を中心に100名を越えるアーティストが参加予定。展示の舞台は、商店街、旧東街道沿いの民家、寺社、市指定の文化財「舘家」や「加藤家」など。

主催|亀山トリエンナーレ 2017実行委員会


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■本公演〈アトリエ劇研創造サポートカンパニー公演〉
したため#5『ディクテ』

彼女は、発声の重圧のびっしり混みあった動きのなかで、それらが通り抜けようとする只中、自らを名も知れぬものとしてその場にとらわれたままにしておく。

休止はすでにすみやかに始まっていて、静かに休止したままだ。彼女は休止の内部で待つ。彼女の内部で。さあ、今だ。まさにこの瞬間。今こそ。彼女はすばやく空気を吸い込む、いくつもの裂け目のなか、生起する距離に備えて。休止が終る。声はもう一つ別の層を包み込む。待っていたために、今やいっそう濃密になって。言おうとすることの苦痛から、言わないことの苦痛へ、待機。
さあ。

原作|テレサ・ハッキョン・チャ
   「ディクテ 韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール」(青土社)
翻訳|池内靖子
演出|和田ながら
出演|飯坂美鶴妃 岸本昌也 七井悠 山口惠子(BRDG)

 

Dictéeとは、言語の学習法のひとつで、声を聞き取り文字に記すこと。
そして、『ディクテ』を手にとったわたしは、
いてもたってもいられなくて息も継げず、
彼女の声を聴くこと、身体にうつすことに、のぞもうとしている。

言語と言語のあいだでざわめく身体の疾走を提示した前作『文字移植』(原作:多和田葉子)の次にしたためが挑むのは、韓国に生まれ、アメリカに逃れ、複数の言語を生きたテレサ・ハッキョン・チャの残した実験的テクスト、『ディクテ』(1982)。言語、歴史、性ーーさまざまなモチーフを含みこみ、そこに触れるすべてのものの声を刺激してやまないテクストから、いま、したためが導く演劇とは。

日程|2017年6月22日(木)~25日(日)
22日(木)19:00
23日(金)14:00/19:00
24日(土)14:00*1/19:00
25日(日)14:00*2

ポストパフォーマンストーク
終演後、ゲストをお招きして作品にまつわるトークを実施します。
*1 ゲスト 合田団地(劇作家・演出家/努力クラブ)
*2 ゲスト 池内靖子(「ディクテ」翻訳者)

会場|アトリエ劇研
〒606-0856 京都府京都市左京区下鴨塚本町1

■クレジット
美術|林葵衣
照明|吉田一弥〈GEKKEN staffroom〉
音響|甲田徹
衣装|清川敦子(atm) 
舞台監督|北方こだち〈GEKKEN staffroom〉
制作|渡邉裕史

京都芸術センター制作支援事業
共催|アトリエ劇研
主催|したため










■プロフィール

作|テレサ・ハッキョン・チャ Theresa Hak Kyung Cha
1951年プサン生まれ。韓国軍政を逃れて1962年ハワイに移民。1964年からサンフランシスコ在住。カリフォルニア大学バークレー校でフランス文学、比較文学、芸術学などを学ぶ。1976年パリ留学。1977年合衆国に帰化。1979年と81年に韓国へ帰国旅行。1980年ニューヨーク転居。1982年、暴漢に殺される。アメリカにおけるアジア系女性を代表するアーティストとして、彫刻、布や紙の作品、映画、ヴィデオ、写真、パフォーマンス、詩などを多数残した。

美術|林葵衣 はやし・あおい
京都造形芸術大学情報デザイン学科映像メディアコース卒業、同大学大学院修士課程修了。京都を拠点に、美術家として身体と思考のズレをテーマとした作品制作を行う。近年の活動として、声を図像化する試みを作品化した個展「水の発音」(2016)、自身の作品のルールを他人と共有し、演奏に見立てるワークショップを行った個展「Public Score」(2014)などがある。

出演|飯坂美鶴妃 いいざか・みづき
静岡県出身。高校時代より演劇を始め、大学では「劇団西一風」に所属し、引退後もフリーで京都にて活動中。主な出演作に、下鴨車窓#12『漂着(island)』、『石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ』(演出:和田ながら)、ユバチ#2『点と線』、ベビー・ピーの短篇集『裂けていく』など。

出演|岸本昌也 きしもと・まさや
滋賀県出身・東京在住。神楽を始めたことをきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学情報デザイン学科卒業後、座・高円寺劇場創造アカデミーにて舞台芸術を学ぶ。これまでに地点、カンパニーデラシネラ、エイチエムピーシアターカンパニーなどの作品に出演。石見神楽東京社中在籍。

出演|七井悠 なない・はるか
2004年~2008年、劇団態変に演出補佐として所属。 2008年~2012年、京都ロマンポップに所属し、ほぼ全ての公演に参加。 近年の参加作品に、したため『葵上』『わたしのある日』、Recycle缶の階『話すのなら、今ここにないもののことを話したかった。今ここにないものの話ばかりしようと思った。』点の階『・・・』など。

出演|山口惠子 やまぐち・けいこ
イギリスで演劇を学ぶ。俳優として、マレビトの会『HIROSHIMA-HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』、『イキシマ』『石のような水』(演出:松本雄吉、作:松田正隆)、『十九歳のジェイコブ』(演出:松本雄吉、作:松井周)『レミング』(演出:松本雄吉、作:寺山修司)などに出演。2011年、川那辺香乃とBRDGを立ち上げ、京都に住む海外からの移住者へのインタビューを元に作品を創作。2016年にイギリス公演を行った。

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■時差「動詞としての時間」臨床哲学/時間論 上演プロジェクト
『そこ、いま、C さん、いま、鳴る、』

「ここ」という声は、場所だけを示すことができない。その音を連れてくる「わたし」はどいつだ、と問わずに、「ここ」はやって来ることができない。だったら、「わたし」さえいれば「ここ」はOKか。そうは問屋がおろさない。それが響く「いま」のありさまなしで、「ここ」のはずがない。
さて、とたんに、「ここ」という声が出なくなる。「ここ」と言えるほど「わたし」なのかはおぼつかず、「ここ」と言える「わたし」ほど「いま」かどうか、その響きのフレッシュな色とはうらはらに、なんとも渋い。
目の前にゆらめくしっぽがある。追えば遠ざかる。退れば寄る。止まれば止まったままだけれど、身体はじっとしていることに耐えられない。
「そこ」ならまだ声になる気がして、それはきっと残された最後の無邪気だろうし、その無邪気を罵ることから、まずは。
だってどんなに隣でも、同じ1 日に暮らしているだけで違う時間を生きているんだから、そうやすやすと連帯してはいけない。

演出|和田ながら
演奏|中川裕貴
出演|穐月萌 石井花果 武内もも(劇団速度)

日程|2017年4月
7日(金)19:00
8日(土)15:00/19:00
9日(日)11:00/15:00

料金|前売 800 円 / 当日 1,000 円 ※未就学児のご入場はご遠慮いただきます。

会場|green & garden  京都市中京区猪熊通三条下る三条猪熊町645番1
臨床哲学/時間論 上演プロジェクトとは
京都を拠点とする舞台芸術を中心とした企画団体、時差|jisaは、現代舞台芸術において活躍の場を広げる団体や演出家に、共通したコンセプトの中で作品製作を依頼し、作品を上演。代表、長澤慶太。時差の第1回目のプロジェクトとなる「動詞としての時間」では、岩渕貞太、村川拓也、和田ながら(したため)などによる全4作品を上演。演劇作品やダンス作品を、臨床医学者である木村敏氏の著作に書かれる様々な「臨床哲学」の言葉を通して考えることで、舞台芸術の新たな可能性と言葉を模索する。

木村敏 きむら・びん
1931年生まれ。精神医学者。京都大学名誉教授。
河合文化教育研究所長・主任研究員。1955 年京都大学医学部卒業。
1981年シーボルト賞(西ドイツ)、1985 年エグネール賞受賞。
著書に、『人と人の間』『分裂病の現象学』『自己・あいだ・時間』『直接性の病理』『分裂病の詩と真実』など。

主催|時差|jisa


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■劇場実験参加

京都造形芸術大学舞台芸術研究センター主催 劇場実験
「太田省吾を〈読む〉――「未来」の上演のために」
http://ohtakyoten.jimdo.com/
京都を拠点に活動する若手演出家3人(相模友士郎、村川拓也、和田ながら)が太田省吾の台本、及び批評をテキストに実験的舞台を創作。またゲストを交え、そのプロセスをめぐるディスカッションを実施します。太田省吾の劇言語の可能性を検証し、そのことを通じて、いま私たちが必要としている「言葉」が何であるかを検証していくプロジェクトです。和田は、太田省吾の戯曲『裸足のフーガ』(1980)の試演に取り組みます。

『裸足のフーガ』
作|太田省吾
演出|和田ながら
出演|穐月萌 今村達紀 合田団地(努力クラブ) 出村弘美 石井花果

日程|2017年2月18日(土)13:00
会場|京都芸術劇場 studio21(京都造形芸術大学内)
料金|1,000円(予約優先制)

舞台監督|濱田真輝( GEKKEN staff room) 
照明|藤原康弘
音響|甲田徹
制作|竹宮華美(舞台芸術研究センター) 豊山佳美 
協力|浜村修司(GEKKEN staff room) 

「太田省吾を〈読む〉――「未来」の上演のために」企画者・参加者|
相模友士郎、村川拓也、和田ながら、山田せつ子、八角聡仁、新里直之、森山直人

主催|京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター  
文部科学省 共同利用・共同研究拠点<舞台芸術作品の創造・受容のための領域横断的・実践的研究拠点>
京都芸術センター制作支援事業

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■杜の都の演劇祭2016 フリンジプログラム参加

リーディング公演

『棲家』

……酒をね、飲んでるよ。乾杯だよ。……乾杯だ。どこかに、印でもつけたい気持ちだ、ここで、生きましたってさ。……おれたちの家が、おわる。

数本の柱とわずかな床のほかは、ほとんど解体されてしまった家に、ひとりの老人が訪れる――太田省吾の書いた『棲家』(1985)はそうやって始まります。ひとが出会い、共に暮らし、生活をいとなむことそのものを切なくまなざしかえすふたり芝居と、おみやげのおやつをたずさえて、京都を拠点に活動する演劇ユニット・したためが、杜の都・仙台での初めてのリーディング公演にのぞみます。

|太田省吾
演出|和田ながら
出演|穐月萌 田中祐気
音響|甲田徹

日程|2016年12月22日(木)・23日(金・祝) 19:30開演 *開場は開演の30分前

料金|予約 2,000円/当日 2,500円 *1ドリンク&京都からのおみやげおやつ付き!
          ※チケット予約は11月19日(土)より受付開始

会場|SENDAI KOFFEE CO.(センダイコーヒー)
          宮城県仙台市青葉区春日町4-25 パストラルハイム春日町1F
              ※地下鉄南北線 勾当台駅から徒歩9分
              ※仙台市営バス せんだいメディアテーク前から徒歩2分
           http://purple.ap.teacup.com/sendaikoffeeco/

協力|せんだい演劇工房10-BOX  boxes Inc.
主催|したため













明倫ワークショップ「北上する前の『棲家』公開通し稽古」

明倫ワークショップ(京都芸術センター主催)として拠点の京都で、通し稽古を公開します!
したため初めての北上、その間際の稽古場で、できあがる間近の作品を見てみませんか?

日時|12月18日(日)19:00-20:30
会場|制作室12

プロフィール|

作|太田省吾 おおた・しょうご
1939年、中国済南市に生まれる。1970年より1988年まで転形劇場を主宰。1978年『小町風伝』で岸田國士戯曲賞を受賞。1960年代という喧騒の時代に演劇活動を開始しながら、一切の台詞を排除した「沈黙劇」という独自のスタイルを確立する。また、『数々の演出論、エッセイを著している。2000年の京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科開設や、続く2001年の同学舞台芸術研究センターの開設に深く関わり、日本現代演劇の環境整備に力を注いだ。2007年、67歳で逝去。




出演|穐月萌 あきづき・もえ
1987年生まれ。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科舞台芸術コース卒業。元巫女。巫女舞「浦安の舞」「豊栄の舞」を習う。その他、夕暮れ社弱男ユニットや舞台芸術研究会の公演に出演。劇研アクターズラボ村川拓也クラスを受講。





出演|田中祐気 たなか・ゆうき

1992年生まれ。愛媛県松山市出身。手先が器用だったため、京都で伝統工芸を学べる大学を探していたが、たまたま目にした舞台芸術という未知のワードに惹かれ、京都造形芸術大学入学と同時に演劇活動を開始する。杉原邦生、伊藤キム、三浦基、渡邊守章、川村毅らから演技・身体表現を学ぶ。ギリシア劇から歌舞伎、現代演劇まで演じる幅は広い。京都に俳優活動の拠点を置きつつも、全国を漂流している。






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◆振付家・倉田翠とタッグを組んだ写真家・前谷開の展示を下記の通り開催いたします。
前谷開「Drama researchと自撮りの技術」
会期|2016年12月14日(水)~12月20日(火) 12:00~19:00
会場|Division 京都市中京区北小路町102

イベント|『家族写真』の稽古とクロージングパーティー
日時|2016年12月18日(日) 13:00~19:00
出演|倉田翠、竹内英明、筒井潤(dracom)、寺田みさこ、迫沼莉子、前谷開、他

≫artscapeに高嶋慈さんによるレビューが掲載されました。
http://artscape.jp/report/review/10130914_1735.html

■共同企画

京都を拠点に活動する同世代の演出家と写真家。
ふたつの対話の先に、ふたつの作品。

倉田翠(演出) 前谷開(写真)/和田ながら(演出) 守屋友樹(写真)

わたしは、春になったら
写真と劇場の未来のために山に登ることにした





演出家と写真家、同世代の二組が、演劇/写真/ダンスの境界を交差させ、
対話を通じて作品づくりに臨みます。

「家族写真」というフォーマットを足がかりにするのは、
「身体の展示」として展覧会も行う倉田翠(akakilike)
セルフ・ポートレイトを中心に作品を展開する前谷開のふたり。

俳優の言葉と身体によって日々の記憶を接写する和田ながら(したため)と、
山/岩をキーワードに制作に取り組む守屋友樹のふたりは、
共有したある「登山の経験」をパフォーマンスに仕立てあげます。

身体の可能性を探るプロジェクトDance Fanfare Kyoto
「×(カケル)ダンス」(企画ディレクション:御厨亮)で
試みられた異なるジャンルのアーティストによる対等な共同作業が、ふたたび京都で。


上演作品

『 家族写真 』
演出|倉田翠
出演|倉田翠 竹内英明 筒井潤dracom) 寺田みさこ 迫沼莉子 前谷開

『 石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ 』
演出|和田ながら
写真|守屋友樹
出演|飯坂美鶴妃枠縁 佐藤健大郎

日程|2016 年8月26日(金)~28日(日)
26日(金)19:00*
27日(土)14:00/ 19:00
28日(日)11:00☆ / 15:00*
※『家族写真』『石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ』の二本立て上演
※受付は開演の30 分前より開始
*26日(金)19:00、28日(日)15:00の終演後に作家4 名によるポスト・パフォーマンス・トークをおこないます。
☆28日(日)11:00の公演は小さいお子様もご入場いただける回です。保護者のお膝の上でのご観劇は無料です。

会場|アトリエ劇研 >>access
〒606-0856 京都府京都市左京区下鴨塚本町1
TEL 075-791-1966 ( 月~土 9:00-17:00)
http://gekken.net/atelier/
・京都市営地下鉄烏丸線「松ヶ崎駅」より徒歩約20分
・京都市バス1・4・205系統「洛北高校前」下車徒歩約10分
・京都市バス204・206系統「下鴨東本町」下車徒歩5分

料金
予約 2,500 円 / 当日  2,800 円


アーティストプロフィール














前谷開 Kai Maetani
1988 年生まれ。2013 年、京都造形芸術大学大学院芸術研究科表現専攻修了。
自身の行為を変換し、確認するための方法として主に写真を使った作品制作を行う。
主な展覧会に、「ハイパートニック・エイジ」(2015年、京都芸術センター)、
「Second Kiss」 (2014 年、YEBISU ART LABO)、
「第36回 写真新世紀東京展 2013」 (2013年、東京都写真美術館)など。
2013年度写真新世紀佳作受賞。

倉田翠 Midori Kurata
1987年生まれ。3 歳よりクラシックバレエ、モダンバレエを始める。
主に京都を中心に演出、振付家、ダンサーとして活動。
2006 年に京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科に入学。
在学中よりダンス作品を発表、また他の演出家の作品にも出演し、
自ら企画、運営なども行っている。2010 年より継続的に、
展示場での身体展示企画『今あなたが「わたし」と指差した方向の行く先を探すこと』展を
行っている。2011年より、「すごいダンスin府庁」実行委員長。akakilike主催。















和田ながら Nagara Wada
1987年生まれ。京都造形芸術大学芸術学部
映像・舞台芸術学科卒業、同大学院芸術研究科修士課程修了。
2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、
京都を拠点に演出家として活動を始める。
2013 ~ 15年、Dance Fanfare Kyotoの運営に携わる。
2015 年、FFAC 創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5
最優秀作品賞受賞。したためは2015 年よりアトリエ劇研創造サポートカンパニー。

守屋友樹 Yuki Moriya
写真家。1987年東京生まれ。京都造形芸術大学大学院修士課程修了。
大学在学中、写真の古典技法を研究した後、写真におけるイメージと
物質が持つ情報の在り方から作品制作を行っている。
デザイン、美術、建築、ファッションなどの記録に携わる。京都在住。
主な展示に「消えた山、現れた石_ gonethe mountain/turn up the stone」(2015 年、Gallery PARC)。
2014 年、「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD#4」ノミネート。
2016 年、第14回写真「1_wall」で鷹野隆大選 奨励賞を受賞。

■ワークインプログレス(途中経過発表)
明倫ワークショップ「作品をみながら、はなす[写真と演劇]」

守屋友樹の写真作品と、『石|溶けちゃってテレポート、固まってディレイ』の途中経過を鑑賞するワークショップです。ただ見るだけではなく、参加者同士がお互いの感想をシェアしあうことで、作品の体験を深めます。

日程|2016年8月6日 (土) 18:30~21:30
会場|京都芸術センター 制作室8
料金|無料
定員|15名
※明倫ワークショップは「京都芸術センター制作支援事業」の一環として京都芸術センターが主催するワークショップ企画です。

■クレジット
ディレクション|御厨亮
照明|吉津果美〈GEKKEN staffroom〉
音響|甲田徹
舞台監督|北方こだち〈GEKKEN staffroom〉
制作|豊山佳美

京都芸術センター制作支援事業
助成|京都府文化力チャレンジ事業
提携|アトリエ劇研
協力|Dance Fanfare Kyoto
主催|倉田翠、したため

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■したため本公演

#4『文字移植』

原作|多和田葉子
演出・構成|和田ながら 
出演|穐月萌 岸本昌也 菅一馬 多田香織(KAKUTA)



わたしはどうしてもこの〈小説〉を翻訳してしまわないといけないと島へ来てからそのことばかり考えているくせに実際にはまだ何もしていなかった。あと一日しか残されていないというのにわたしはまだ何をどう訳せばいいのか見当もつかずにいた。
多和田葉子『文字移植』より(講談社文芸文庫「かかとを失くして|三人関係|文字移植」)


ある物語を翻訳するために訪れた島で、言語と言語のあわいで惑う"わたし"――
言葉はどのように「移植」できるのか、その「移植」をおこなう者の身体とは、
どのような運動のさなかにあるのだろうか。
出演者の日々の生活のドキュメントから演劇をたちあげてきたしたためは、
2016年、テキストと出会う旅をはじめました。
アトリエ劇研創造サポートカンパニーとしての京都公演、
そして創作コンペティション受賞公演としての福岡公演、
したため初の2都市ツアーで臨むのは、日本語とドイツ語、
ふたつの言語を往復しながら精力的に活動し、文芸賞の受賞も続く
作家・多和田葉子の初期作『文字移植』(1993 年、『アルファベットの傷口』より改題)

言葉と身体が発火するところへ。

■京都公演〈アトリエ劇研創造サポートカンパニー公演〉

日程|2016 年6月10日(金) ~ 13日(月)
10日(金) 19:00*1
11日(土) 14:00/19:00
12日(日) 14:00*2/19:00*3
13日(月) 14:00*4

ポストパフォーマンストーク
終演後、作品を軸に、演出・和田ながらが同世代のアーティストと
おしゃべりしたり、みた人同士で感想をシェアする場を設けます。 
*1 ゲスト 林葵衣(美術家、本作舞台美術担当)
*2 ゲスト 守屋友樹(写真家)
*3 ゲスト 中川裕貴(演奏家、音楽家)
*4 「余韻の時間」をつくって、いっしょに作品をみた人たち同士で話しながら、
    普段以上にじっくり作品を味わいます。(運営=「Listen, and...」プロジェクト

会場|アトリエ劇研
〒606-0856 京都府京都市左京区下鴨塚本町1

■福岡公演
〈FFAC企画 創作コンペティション「 一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5 最優秀作品賞受賞公演〉

日程|2016 年6月18日(土) ~ 19日(日)
18日(土) 14:00/18:00
19日(日) 14:00*5

ポストパフォーマンストーク
*5 ゲスト 手塚夏子(ダンサー/振付家)、大澤寅雄(文化生態観察)

会場|ぽんプラザホール
〒812-0038 福岡県福岡市博多区祇園町8-3ぽんプラザ4F

■ワークインプログレス(途中経過発表)
明倫ワークショップ
「作品をみながら、はなす[したためver.2]」
日程|2016年5月22日 (日) 14:00~17:30
会場|京都芸術センター 制作室3
定員|15名
講師|「Listen and...」プロジェクト:岡崎大輔(京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター 専任講師)、川那辺香乃(アートコーディネーター)
※明倫ワークショップは「京都芸術センター制作支援事業」の一環として京都芸術センターが主催するワークショップ企画です。

■クレジット
美術|林葵衣
照明|吉田一弥〈GEKKEN staffroom〉
音響|甲田徹
衣装|清川敦子(atm) 
舞台監督|北方こだち〈GEKKEN staffroom〉
制作|豊山佳美

京都芸術センター制作支援事業
共催|アトリエ劇研[京都公演]
協力|シバイエンジン
主催|したため、(公財) 福岡市文化芸術振興財団[福岡公演]、福岡市[福岡公演] 



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■アトリエ劇研スプリングフェスVOL.1
 創造サポートカンパニーショーケース Cプログラム

『すべってころんで山がひっそり』

テキスト|種田山頭火
演出|和田ながら 
出演|穐月萌 今村達紀 菅一馬

種田山頭火の句は、動詞によってできている。
そこではずんでいる身体は、いつかなくなってしまう身体だ。

■日時
2016年
4月13日(水)19:00
4月14日(木)19:00
*Cプログラム出演団体…したため 劇団しようよ 笑の内閣 ドキドキぼーいず

■会場
アトリエ劇研 京都市左京区下鴨塚本町1  >>access

■クレジット
舞台監督|浜村修司〈GEKKEN staffroom〉北方こだち〈GEKKEN staffroom〉
照明|葛西健一〈GEKKEN staffroom〉
音響|宮田充規〈GEKKEN staffroom〉

ディレクター|あごうさとし
制作|長澤慶太
宣伝美術|岸本昌也
主催|アトリエ劇研・NPO劇研


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■パイロット版シアターシリーズ「gateリターンズ2016」参加

『わがからだ焚火にうらおもてあぶる』

テキスト:尾崎放哉
演出:和田ながら
出演:石川信子 今村達紀 長洲仁美
照明:川島玲子

今まで、出演者の日々の生活を接写するように、作品を作ってきました。次は少し違うことに向かって舵をきろうと思っていたところ、枕元に積んである本の中に、まだ開いていなかった尾崎放哉の句集を見つけました。精緻にそぎおとされた、ものすごく小さい大声のひとりごと。おびただしいかげ。このうるさいぐらいのさびしさに、ぎりぎりまで共感したくない、と思っています。声と身体でどんな手立てをたくらむべきか。遊びます。

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■日時
2016年
1月21日(木)19:30
1月23日(土)11:00
1月24日(日)16:30

■参加団体

《Aプログラム》
したため(gate#11・リターンズ 参加)
Massachusetts(gateユース 参加)
ユニット美人(gate#2・#7・extra 参加)

《Bプログラム》
ソノノチ(gate#5 参加)
劇団 短距離男道ミサイル(gate#8 参加)
ベビー・ピー(gate#3・#8 参加)

■会場
KAIKA
京都市下京区岩戸山町440番地 江村ビル2F

■スタッフ
gateディレクター:大原渉平(劇団しようよ)
舞台監督:稲荷(十中連合)
舞台スタッフ:渡川知彦
制作:渡邉裕史 植村純子
チラシデザイン:大原渉平(劇団しようよ)

■主催
NPO法人フリンジシアタープロジェクト


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■したため本公演

したため#3『わたしのある日』






__「きのう、なにしてました?」と、出演者にたずねるところからいつも稽古をはじめる。それから、「きのうのこと、この先どのくらいおぼえていると思いますか?」と、稽古を続ける。けれども、わたしたちはとても忘れっぽいので、たかだかきのうのこともだいぶ思い出せない。だからきっと、いまこの瞬間のことも、普通の一日としてくくって、近いうちに忘れてしまう。わたしは、本当のところ、自分にとっての普通の一日というのを、知ったかぶりしているだけだと思う。でもわたしは、いずれ忘れてしまう"いま"のことをよく知らないままいつか死ぬのはいやだから、飽きるほど見つめて、それがめくれあがりやしないかと期待しながら、この作品をつくります。和田ながら


演出・構成:和田ながら
出演:穐月萌、岸本昌也、田辺タイシ、長洲仁美、七井悠

■日程
2015年10月1日(木)〜4日(日)
1日(木) 19:00#
2日(金) 19:00
3日(土) 14:00*, 19:00
4日(日) 14:00
※受付は開演の30分前より
#1日(木)19:00の回終演後、細馬宏通さん(滋賀県立大学人間文化学部教授)をゲストにお招きして
 ポストパフォーマンストークをおこないます。
*3日(土)14:00の回終演後、ご来場いただいた観客のみなさんと感想シェア会をおこないます。
 ご覧いただいた感想をざっくばらんに話し、作品をより深く味わっていただこうという試みです。お気軽にご参加ください。


会場
アトリエ劇研 http://gekken.net/atelier


照明:吉津果美
音響:甲田徹
衣装:清川敦子(atm)
舞台監督:磯村令子
宣伝美術:岸本昌也
制作:川那辺香乃(BRDG)

共催:アトリエ劇研
助成:京都府文化力チャレンジ事業
京都芸術センター制作支援事業

主催:したため

□■明倫ワークショップ『作品をみながら、はなす [したためver.] 』

『わたしのある日』のワーク・イン・プログレス(途中経過発表)を、主に美術分野で用いられている「対話型鑑賞」という手法を使って鑑賞します。参加者同士のコミュニケーションを通して、様々な視点から作品を味わってみましょう。


日時 8月22日(土)18:00-21:00
会場 京都芸術センター 制作室4
ナビゲイター
岡崎大輔(京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター 専任講師)
参加費 無料



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■福岡市文化芸術振興財団主催
創作コンペティション 一つの戯曲からの創作をとおして語ろうvol.5 上演審査
http://www.ffac.or.jp/news/detail53.html

【日時】2015年5月22日(金)19:00、23日(土)13:00
【会場】ぽんプラザホール(福岡)

課題戯曲|三島由紀夫 近代能楽集より『葵上』
最優秀作品賞|和田ながら(したため)

演出|和田ながら
出演|穐月萌 出村弘美 長洲仁美 七井悠
照明|吉田一弥
音響|森永キョロ

審査員|
岡田利規(劇作家・演出家・小説家/チェルフィッチュ主宰)
前川知大(劇作家・演出家/イキウメ主宰)
松井周(劇作家・演出家・俳優/サンプル主宰)
森山直人(演劇批評家・京都造形芸術大学教授) 
山田恵理香 (演出家/空間再生事業劇団 GIGA)

山田真実(演出家/ttu/創作コンペティション vol.4 最優秀作品賞受賞)

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■「村川拓也×和田ながら×punto」

『肩甲骨と鎖骨』
演出:和田ながら(したため)
出演:穐月萌、高木貴久恵、田辺泰信

1936年に生まれ1982年に死んだジョルジュ・ペレックという小説家のことが、ずっと気になっている。記憶すること、思い出すこと、書くこと。その行為に向けてついやされた力の分厚さに、彼の(日本語に翻訳された)著作に触れるたび、いつもたじろぐ。精細に記憶すること、それを誤りながらも思い出すこと、そしてそれを執拗に書くこと。おそらくその行為に、わたしもずっとのめり込んでいて、そしてこれからものめり込んでいく。だからわたしは、彼の行為の(勝手な)継承者として、(勝手に)名乗りを上げようと思う。肩甲骨と鎖骨は、ペレックが幼少時代、実際には骨折していないのに、骨折したことがあると記憶を食い違えていたところ。

【日時】
2015年3月
27日(金)19:00、28日(土)14:00/19:00、29日(日)14:00

【会場】
punto 〒601-8011 京都市南区東九条南山王町6-3
http://punto-studio.net/


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■BRDG×努力クラブ×したため 合同企画
『ドメスティックサイエンス』



したため
演出・構成:和田ながら 出演:大谷悠、高木貴久恵

BRDG http://brdg-ing.tumblr.com/
演出:山口惠子 出演:ブリジット・スコット、出村弘美

努力クラブ http://www.geocities.jp/doryokukurabu/
作・演出:合田団地 出演:合田団地、佐々木峻一、丸山交通公園(月面クロワッサン)

舞台監督:七井悠
音響:甲田徹
制作:竹宮華美
イラスト:長坂ひかる

日程 || 2015年1月10日(土) 18:00 11日(日) 13:00/17:00
会場 || 元・立誠小学校 音楽室
主催 || BRDG 努力クラブ したため
共催 || 立誠・文化のまち運営委員会


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■『gateリターンズ』参加
パイロット版シアターシリーズ《gateリターンズ》
http://www.fringe-tp.net/gate.html

したため『ここ』

[演出]和田ながら
[出演]田辺泰信 七井悠

ここにいなかったこともあるけれど、ここにいる。
ここではないどこかのことをずっと考えながら、ここにいる。
ここであることを知っているけれど、
ここでないような気がして、相手の顔を見る。

見える、聞こえる、触れている。
こことはどこで、誰だ。

■日時 ※開場は開演の30分前
8月7日(木)19:30(A)
8月8日(金)19:30(B)
8月9日(土)14:00(A)/19:30(B)
8月10日(日)11:00(B)/16:30(A)

(A)=劇団壱劇屋/したため/IN SITU
(B)=努力クラブ/十中連合/ブルーエゴナク

■会場 KAIKA
〒600-8445 京都府京都市下京区岩戸山町440番地 江村ビル2F

■主催
NPO法人フリンジシアタープロジェクト

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■芸創CONNECT vol.7 審査会参加

【審査発表】
■日時 2014年2月11日(火)17:00~
■会場 大阪市立芸術創造館3階 大練習室

『セルフ・ポートレイト』

演出・構成:和田ながら
出演:鴨嶋美幸

===

【出演アーティスト】
空(utsubo)(東京)
孤独部(愛知)
したため(京都)
濱中峻(東京)
虫の息(東京)
モンゴルズシアターカンパニー(大阪)
(五十音)

【審査委員】
谷口純弘(FM802プロデューサー)
服部滋樹(graf代表/デザイナー・クリエイティブディレクター)
東野祥子(BABY-Q主宰/振付家・ダンサー)
やなぎみわ(現代美術家)
(50音順)


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■『gate#11』参加


パイロット版シアターシリーズ 『gate #11』
つくる場・KAIKAの試演会

参加団体|鳥公園 辻企画 したため

『ひび』

[演出・構成] 和田ながら
[出演] 飯坂美鶴妃 出村弘美

ほんのわずかな裂け目と、ゆるやかに連なってゆく時間。
同じ音で呼ぶふたつのことに、目をこらす。

■日時
12月21日(土)15:00/19:00
12月22日(日)11:00/15:00

■会場 KAIKA

■スタッフ
gateディレクター:大原渉平(劇団しようよ)
舞台スタッフ:渡川知彦 北方こだち
制作:渡邉裕史 植村純子

■主催
NPO法人フリンジシアタープロジェクト


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■BRDG・デ・したため 3ユニット合同企画


《1Hz》

〔参加ユニット〕
BRDG / デ / したため

1Hzはラジオをコンセプトにした3つのユニットによるパフォーマンス企画です。なにか新しいことをしたいというわけではないのですがただ並べるだけというのもあれなので、それぞれの作品をチャンネル、番組という風に見たてて、同時に 上演してみようと思います。ちなみに1Hzというのは1秒間に1度だけ揺れるという意味です。なので今回のイベントではだいたい7200回ほどの振動をお届けすることになると思います。どうぞお越しください。

〔会場〕
UrBANGUILD
京都市中京区木屋町三条下ル材木町ニュー京都ビル3F
http://www.urbanguild.net/


〔日程〕
2013/8/23 fri.
19:00 open
19:30 - 21:30

〔クレジット〕
BRDG
出演:今村達紀 児島功一郎 出村弘美 山口惠子
http://brdg-ing.tumblr.com/


構成・演出:市川タロ
出演:川北唯 古池峻輔 菅一馬 玉城大祐
http://de-kyoto.jugem.jp

したため
構成・演出:和田ながら
出演:鴨嶋美幸 仲谷萌 七井悠

音響:佐々木峻一
宣伝美術:岸本昌也







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■Dance Fanfare Kyoto 「5'00" special program」参加



『朝、300秒』

演出|和田ながら
出演|鴨嶋美幸 降矢菜採

日時|2013年7月7 日(日)14:00 開演/17:15 開演
企画コンセプト|schatzkammer
上演場所|元・立誠小学校2F グラウンド側校舎周辺

7 日出演者|
佐藤健大郎+野田まどか
したため
〇九
益田さち
Monochrome Circus


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■FK#10 パフォーマンスエキシビジョン『人形の家』参加


「いちばん遠くの音」

まず、黙る。
あらゆるささいなふるえを聞きすごさないように。
そうすれば、いちばん近くのことが、ようやくわかる。
そうすれば、いちばん遠くに、さわれる。
んじゃないかと、考えた。

演出:和田ながら
出演:鴨嶋美幸 吉田美貴子


FK#10 パフォーマンスエキシビジョン『人形の家』 

「私たちに まだ何か 話すことは ありますか?」

『人形の家』ヘンリック・イプセン


■演出
和田ながら
山口恵子
今村達紀
市川タロ


■日程
2012年6月16日(土)・17日(日)

■会場
Factory Kyoto


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■#2 「はだあし」


太田省吾の「裸足のフーガ」は、盗んできたハイヒールを履いている女性ふたりが
お互いのハイヒールをとりかえっこして履いて、それからはだしになるところからはじまる。
わたしはそれを、うつくしい場面だと思った。

女1 いい……そっと踏み出すのよ、片方靴履いたままだと散漫になるでしょ、神経よ。神経を散漫にしちゃだめよ、意味ないわ、さ。
女2 いいのね……。
女1 いいわ。

 女2、裸足を踏み出す。 やがて……。

女1 どう。
女2 え……ええ。
女1 ね。……よくなかったの。
女2 いいえ。
女1 じゃ、よかったのね。
女2 ……ええ。
女1 ああ、わからないのね、なんて言っていいか、そうなのね。

(太田省吾「裸足のフーガ」より)


わたしは、靴のことを、あらためて考えてみようと思った。
自分のはだしをよくよく見つめてみたら、想像していたよりも、いびつだった。





テキスト:太田省吾
演出・構成:和田 ながら
出演:飯坂美鶴妃、生実慧、鴨嶋美幸、濱崎彰人

舞台監督:七井 悠(京都ロマンポップ)
照明:川島玲子
音響: 佐々木峻一(努力クラブ)
音響操作:大宮美紀(劇団ACT)
衣装:清川敦子
制作:上野愛実
宣伝美術:岸本昌也

■ 公演日程
2011年 12月 16日(金) ~ 18日(日) 

■ 会場
アトリエ劇研

主催:したため
アトリエ劇研協力公演
2011年度 京都造形芸術大学大学院 研究・制作・発表助成


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■「五感」展参加 「よいにおい」



「 よ い に お い 」





演出・構成:和田ながら
出演:鴨嶋美幸

京都東山三条にある「カオスの間」という
アートスペースのリニューアルオープンに合わせて
京都の若手作家5人による展覧会「五感」が開催されます。
作家それぞれが、五感のひとつずつを担当して作品を発表、
したためは≪嗅覚≫に挑みます。


上演日程:
6月
11日(土) 19:00(オープニングパーティー)
12日(日) 15:30~/18:30~
14日(火) 19:00~
18日(土) 12:30~
19日(日) 14:30~/18:30~
20日(月) 19:00~
26日(日) 19:00ごろ(クロージングパーティー)    計9回
*展覧会期間:6月11日(土)~26日(日)、会期中無休

会場:
カオスの間〒605-0021 京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル2F
※京都市営地下鉄 東西線 東山駅 徒歩1分http://chaos-no-ma.jimdo.com/

予約不要、入場無料


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■#1 「巣」



したため#1 アトリエ劇研協力公演



むかし、知らないだれかが住んでいて、いま、わたしが日々を暮らすちいさな部屋。
やってきた時は空っぽだったこの部屋に、たくさんのものを持ちこんで寄せ集めた。

うすい壁をへだてた向こうの、よく知らないおとなりさん。
もれきこえてくる、彼もしくは彼女の生活の音。
あるいは彼もしくは彼女にもれきこえているわたしの生活の音。

床に積もっているおびただしい髪の毛。

いつかわたしもここを引き払い、ここを空っぽにして出ていく。

そしてまた知らないだれかがやってきて、
その人自身にまつわるたくさんのものを持ちこんで巣作りをして、
この部屋で食べたり眠ったりする。


■ 公演日程
2011年
2月
25日(金)19:30
26日(土)14:00/19:30
27日(日)14:00

■ 会場
アトリエ劇研
〒606-0856京都市左京区下鴨塚本町1

■ Cast & Staff

演出・構成:和田 ながら

出演:鴨嶋美幸、重実紗果、出村弘美

舞台監督:肥田奈帆美
照明:小嶋歩
音楽:一見正隆
衣装:友野未奈子
制作:今野恵子
宣伝美術:岸本昌也

主催:したため